【備忘録③イラン戦争】まだまだ終わらない!イラン vs イスラエル&アメリカ。戦争17日目 in テルアビブ

こんにちは、a-box-of-chocolateです。3月前半はずっと戦争生活が続いている!そんなテルアビブ生活です。昨年6月と同様に2週間程度で収束するといいなと期待していたのですが。17日目を迎えた今日も、まだ終戦の気配はありません。

改めて、私は諸事情でテルアビブに留まっています。邦人退避の手立て(アンマン経由での退避)は自分の意志・判断で利用していません。イスラエルに駐在し続けているのも自己責任と言われたらそれまでですが、無責任に離れられない事情もあります。

外国から退避する・しないの判断は難しいですが、その必要性や緊急度、さらには戦争生活への耐久性などは、本当に人ぞれそれです。

一方で、メディアで報道されている「中東の様子」を見たら、一刻も早く退避するべき!と思う人が大多数でも不思議ではありません。「戦争」という概念や大枠をもって現状を語るとすれば、すなわちすぐに避難するべき状況なのかもしれませんが、どんな状況下にあっても、そこには「人の生活」があることを、今の駐在生活を通じて実感しています。

人間として、ひとつの個体レベルでの話をすると、私はかなり戦争耐性がついているというか、「もはやテルアビブ(イスラエル)での生活ってこれがデフォルトかな!」と思っている節があるので、このブログはそういう個人から見た「戦争に巻き込まれた生活」を綴っているのだという点をご了承ください。

周りは敵国だらけ…四面楚歌でも最強のイスラエル!アメリカとの最強タッグで猪突猛進。

中学や高校の漢文で習う「四面楚歌」。「周りが敵ばかりで孤立無援の状態」を表す慣用句です。

「史記」に描かれる「四面楚歌」とは、兵士が減り、食料も尽きた項羽が窮地に陥り、敵国軍(漢)が自国(楚)の歌を歌うの聞いて、故郷陥落を知って嘆く…という内容ですので、今のイスラエルとはやや事情が違います(自軍が敵軍に寝返るなどは有り得ない!)。しかしイスラエル以外の周りの国々はみんな敵!という地政学的条件を考えると、この慣用句が頭に浮かびます。

私のGeminiちゃんが生成してくれた「中東マップ」で解説します↓

イスラエルだけが「ユダヤ教」の国で、基本的に隣国や周辺国は「イスラム教(アラブ)」の国々です。ヨルダン、エジプト、サウジアラビアとは敵対していませんが、赤くマークされた国は、いわゆる「敵国」です。

ざっくりまとめると、

ガザ地区→ハマスの拠点、イランの支援を受ける

レバノン→ヒズボラ(シーア派武装組織)

シリア→ゴラン高原を含む領土問題&イランの軍事拠点

イラク→シーア派

イラン→イスラエルを「小悪魔」と呼ぶ最大の敵

イエメン→親イラン、フーシ派

四面どころか、あらゆるディメンションに敵国だらけのイスラエル!こんな状況にも関わらず、項羽と圧倒的に違うところは、泣いて嘆き悲しむどころか自ら行動を起こす(敵国を果敢にも先制攻撃する)ところでしょうか…。


3月12日から現れた、「Thank you God and Donald Trump!」のビルボード。前回は停戦後にこの看板を見ましたが、まだ戦争の最中にも関わらず、すでにトランプ氏を手放しで賞賛し始めているイスラエル…。中東にお友達はいませんが、アメリカとは一蓮托生、ベストフレンド。

と言いたいところですが!今日からエルアル航空による特別便(テルアビブからニューヨークへの直行便)が6本も運行されているのです!!アメリカ大使館と本国の国務省との合意に基づくアメリカ国民専用機。

自国民はしっかり国外退避させてから、同盟国を戦火に巻き込んでいる???としか思えないのですよ…。アメリカ人は優先的に自分の国に帰れるのです。(しかも閉鎖中のベングリオン空港から!)戦争を始めた張本人であるアメリカは、あくまでも安全地帯から見ているだけの戦争なのだろうなという感覚はぬぐえません。あくまでアメリカファースト!イスラエルがアメリカべったりと言われても仕方がありません。

あと3週間以上は続く!?祝日返上で攻撃を継続する気満々のイスラエル軍。

IDF軍の発表によると、あと3週間以上(今日はまだ3/16なので、4月一週目まで)は攻撃の準備ができているとのこと。さらにその先3週間も準備しているため、あと6週間(下手したら5月まで)引っ張るつもり…!?パスオーバーというユダヤ教の大事な祝日も、国民はシェルターで過ごす羽目になりそうです…。

以下、Times of Israelからの引用(翻訳)です。

「我々は米国の同盟国と連携し、少なくとも3週間後のユダヤ教の過越祭までの計画を立てて準備を整えている。さらに、その3週間後までを見据えたより詳細な計画も用意している。」イスラエル国防軍は、米国との共同作戦である対イラン戦争において、計画通りに、そして当初の予想よりも速いペースで作戦を進めていると、軍当局者が日曜日に述べた。イランの防衛産業に対する攻撃は、イスラエルへのミサイル攻撃を減らすための継続的な取り組みと並行して、さらに強化される見込みだ。

軍は予定より早く進んでいるように見えるものの、テヘラン市内および国内の他の地域にまだ数千もの標的が残っているため、イランでの作戦は少なくともあと3週間は続くと見込んでいると述べている。

関係者によると、イスラエルは2月28日にイランの最高指導者アリー・ハメネイ師と40人以上のイラン高官を殺害する攻撃を開始し、その後弾道ミサイル発射装置や防空システムへの攻撃も行ったが、現在はイランの軍事産業の破壊に力を注いでいるという。

当局者らは、今回のイランに対する作戦は2025年6月の12日間戦争とは異なり、はるかに大規模なものだと述べた。前回の戦争では、イスラエルはイランが核兵器を開発するという「存亡の危機」と、弾道ミサイルの生産拡大に対抗しようとした。今回の戦争は、イスラエル国防軍にとって、イスラエルに対する「イランの存亡の危機」を取り除くだけでなく、「当面の間」におけるイランの「戦略的脅威」をも排除する機会となった、と関係者は述べた。

イスラエル国防軍は、イスラエル軍の攻撃により4,000人から5,000人のイラン兵が死亡し、さらに数万人が負傷したと推定している。負傷者の多くは、国内治安部隊やバシジ民兵組織の隊員である。

これまでのところ、イラン軍は推定500基の弾道ミサイル発射装置のうち約70%を破壊または無力化したと主張しているが、イランが2025年6月の戦争後に行ったように、新しい発射装置を製造することは比較的容易だと考えられている。

https://www.timesofisrael.com/idf-planning-3-more-weeks-of-operations-to-systematically-degrade-irans-defense-industry/

イランから見たイスラエルも「絶対的悪」であり、イスラエルから見たイランも「排除するべき脅威」なので、もはや軍の計画が遂行されるまでは徹底的に攻撃をし続けるつもりなのでしょう。

そして北側(ヒズボラ)からも連日のように援護射撃(ロケット)が飛び交うようになった今、IDFはレバノンへの地上侵攻開始したと発表しています。つい数か月前に、ガザ地区への地上侵攻をしたばかり…。数十万人の「予備役」が軍隊に呼び戻されて、まさに国民が一丸となって敵国に立ち向かっていく…というこの様子を「正義のディフェンス(正当防衛)」と呼ぶか、「戦争犯罪」と呼ぶかは、語り手と視点によります。

クラスター爆弾による被害が拡大中!イスラエル国内の被害

イスラエル保健省の発表(3月16日)によると、2月28日の開戦以降、3,369人が病院に搬送され、現在81人が入院中。入院患者のうち、1人が重篤、7人が重症、14人が中等症、59人が軽症。とのことです。この「負傷者」には民間人と兵士の両方が含まれていて、さらにはミサイル攻撃による直接的な被害者と、シェルターへの避難途中に負傷した人とどちらも含んでいます。

イランからの弾道ミサイル発射は減っている、という軍の発表に反して、テルアビブ市内でも1日最低3回はサイレンが鳴る生活が続いていて、「本当にランチャー破壊に成功しているの⁈」と疑いたくなるほどに、連日ミサイル発射が繰り返されています。

その中でも厄介なのが「クラスター爆弾」。弾道ミサイルに詰まれたさらに小さい爆弾があちこちに着弾しては、次々と被害を巻き起こしています。

テルアビブ近郊のエリアでも、着々と広がる被害…。でもなぜかいつも同じエリアなので、迎撃システムが手薄?なのか気になります。

イラン国内の「政権交代・体制転換(regime change)」が戦争の目的の一つなのだとしたら、トップをいくら殺害しようとも「体制転換」が起こっていないことはハマスとの戦争を通して目撃してきた事実であるにも関わらず、ハメネイ師を殺害。後継者である息子(モジタバ師)も負傷していてロシアに緊急脱出した、などの噂すら立っています。

イラン国内の統率をとっているのが一体誰なのか不明なのですが、17日目にしても今なおミサイル攻撃をする能力が残っていて、それを仕切る誰かがいることも確か。中東全域の米軍基地攻撃も続行していて、なんらかの指揮系統が機能しているはずです。

かたや2月27日までの生活と同じ衣食住を維持できているという点では、イスラエル軍は優勢なのだろうと想像できるのですが、まだまだミサイルが飛んできて、迎撃の音が聞こえて、生活圏のどこかの家や車が燃えている。そんな「日常」が続いている、まるでおとぎ話のような毎日です。

ネタニヤフ首相死亡説、などのフェイクニュースも飛び交うほどに混沌を極める中東情勢。国家転覆ミッションに燃えるイスラエルからしたら、ホルムズ海峡封鎖による石油の値段なんて、どうでもいいちっぽけな話かもしれません。

筆者

イラン側にとってはまるでデスノートのような展開で、後継者に指名された者はその瞬間にモサドに命を狙われるというサバイバル。イスラエル側からみても、ラスボスを倒してもゲームオーバーにはならない。

あらゆるバーチャルゲームがリアリティを増していくのと同様に、現実世界が逆にゲーム化されていて、高度な仮想世界だと思っていたシミュレーション(敵国の最高指導者を殺害して空爆で国を亡ぼす)を具現化できる世界線が存在しているのかも。もはやそうであってほしい…!

イスラエル駐在生活丸二年で振り返る、戦争生活。

さて、ここからは「戦火に巻き込まれるのが日常茶飯事」になっている私が振り返る、2024年春から今までに経験してきた「戦争に巻き込まれた体験」についてプレイバックしてみます。

サイレンが鳴ってシェルターに行く生活がまさに「日常茶飯事」。まるでトイレに行くかのごとく生活の中に組み込まれていて、「何時間前にシェルターに行ったのか」がわからない。そんな毎日です。(トイレに何時何分に行ったなんて、覚えてないでしょう!!)

1 . 2024年4月13日 イランから初の弾道ミサイル、イスラエルに到達

このころ入国直後だった私…イスラエルに来てまもなく「シェルターに避難する」という基本的なドリルを実行する羽目になったわけで…記念すべきイランの弾道ミサイル攻撃成功の瞬間にも立ち会ったのです。ヒズボラのロケット、イランのドローン&ミサイル。今となってはデフォルトの攻撃パターンですが、初めて体験した私たち家族は、恐れ戦いたものです…。

このあとイスラエルも報復攻撃をして、入学したばかりのアメリカンスクールの宿泊行事も中止になり…。振り返ると、駐在生活の最初からミサイルと共にある私のテルアビブライフ。我ながらサバイバルしているなと思います。

2. 2024.5.26 ハマスからのロケット攻撃

23年の10.7以降、くすぶっていたハマスからの攻撃が本格化するタイミングだったように感じます。ガザ地区はイランからの攻撃とは比べ物にならないほど至近距離なので、ロケットが発射されたと思ったら到達しているのです。本当に同じ国土の一部からの攻撃が行われているのだと実感した衝撃の瞬間でした。

3. 2024. 夏~11月 ヒズボラからの攻撃

この記事を書いたころ(2024年6月)、すでにヒズボラからのロケット攻撃のせいで北部都市にはほとんど出かけることができず、GPSもいつも狂っている状態でした。ハイファも軍事拠点があり、しょっちゅう攻撃対象になっている地域です。

2024年9月にはテルアビブにも届く長距離攻撃を繰り出し、イエメンからの援護射撃も活発に。このときはイスラエルによるポケベル爆発事件や指導者ナスララ師の殺害に対する報復として攻撃が急増し、1ヶ月で数千発単位のロケット弾が飛び交う事態となりました。

24年11月末に停戦合意したはずですが、今となってはそんな約束もしたっけな~?程度です。

4. 2024年10月2日、悪夢のロシュ・ハシャナー。イランからの弾道ミサイル攻撃

テルアビブ上空での”天体ショー”を世界配信された、恐怖の弾道ミサイルラッシュ攻撃。100発以上の弾道ミサイルがイランから放たれ、ドンドンと鳴り響く迎撃音に怯えながら過ごした、ユダヤ新年の夜の思い出です。

5. 2024年10月7日、ハマスとの戦争1周年

戦争から1年という節目を前に、各方面からの一斉射撃を食らった!という感じで非常に不安定だったイスラエル。1年経っても人質解放が終わらないどころか、方々から攻撃されてばかり(そしてIDFも攻撃しまくっているのだ)ということに私も気づき始めた駐在生活半年の節目でした。

その後、年末のハヌカシーズンも正月も、イエメン&ハマスからの絶え間ないミサイル攻撃で、アラートが鳴りやまない日々を再び送るのでした。しかし、その中でもイベントに参加したり遠方に出かけたり、普通の生活が継続しているというのは今と一緒です。

6. 2025年1月15日 ハマスとの停戦合意&人質解放

振り返ってみると、私はこの歴史的瞬間もテルアビブで目撃していたのでした。遠い遠い中東の国で起こっていると思っていた争いが完結していく。あのときの熱量は本当にすごいものでした。

7. 2025年5月 イエメンからの弾道ミサイルが、ベングリオン空港を直撃!

いま思い返すと、イエメンからの攻撃はいつも1~2発程度でほとんどイスラエルに届かないため、侮っている人が大半でした。ぶっちゃけ私も、イエメンからなら大丈夫じゃん?と思ってシェルターに行かなかったり、行ってもサイレン鳴り終わったらすぐに退場したり。舐めてました。その結果、迎撃失敗してベングリオン空港に直撃するという悲劇が…。これによりほとんどのヨーロッパ系航空会社がフライトキャンセルをして、「戦争によって空港が閉鎖になったり、搭乗予定のフライトがキャンセルされることが起きる国なんだ」と実感したものです。

こどものテニス大会出場も、オーストリアまで行けるかどうか瀬戸際まで分からず大変でした。

8. 2025年6月 イランとの12日間戦争

今の戦争が起きる前哨戦。あのときはイスラエルのみがターゲットだったのもあり、一回に200発近い弾道ミサイルが飛んでくる、自宅近所に直撃して自身のような揺れを感じるなど、九死に一生を得る体験をしました。

9. 2025年10月 ハマスとの停戦合意&人質解放(2回目)

ガザでの戦争から丸2年、今度こそ本当の本当に戦争を終わらせよう!とトランプ氏が動き始めたときです。6月のイラン戦争に続き、トランプ氏の影響がどんどん色濃くなるイスラエル。戦争から733日という長い時を経て、ようやく幕が下りようとしたときでした。

そしてこの時を境に、警報がならない日々を手に入れることができたのです!

10. 半年も持たない平和とは!

そして2026年2月末、人質解放の歓喜からわずか5ヶ月も持たずに今度はイランとの戦争が始まってしまったイスラエル。ガザの件も全てが片付いたわけではありません。直近2年を振り返っても「どこかの国と戦っている」のがデフォルトすぎて、「平和」な状態のほうがムズムズする。そういうことなのでしょうか…。

今回のイラン戦争は、寝起きと同時に始まっていた(開戦していた)というのは正しくもあり、間違ってもいます。とにかく排除するべき脅威が身の回りに多すぎるため、常に防衛しつづける、自分たちの土地を守り続けることが「当たり前」な国、イスラエル。まるでスリや強盗に注意しましょうというのと同列に、「国土が脅かされて奪取されることに気をつけましょう」という国防の原則がある。それは正しい認識でもあり、間違ったやり方でもある。

いろいろありますが、とにかくこの2年で強く思ったのは、自分の振りかざしたい正義こそが「万人が信じる正義」であると強く信じすぎた結果、こんなこと(周辺国との戦争)が日常茶飯事になってしまったのかな、ということ。

核よりもミサイルよりも何よりも、人間の思想や行動原理って本当に恐ろしいです。日本にずっと住んでいたら気づかなかった価値観に触れ、ミサイルから避難するエキサイティングな私の駐在生活。大谷翔平選手の活躍並みにユニコーンだと思うことにします(笑)。

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