【イスラエル駐在1年1か月】「相手に期待しない!」ストレスフリーな駐在生活の秘訣とは?

こんにちは、a-box-of-chocolateです。イスラエル駐在生活も1年を超えて、思い通りにいかない出来事に直面しても、たいがいのことには驚かなくなってきました。それでも「日常のちょっとしたトラブルシューティング」に対して堪え性が足りないというか、こうした対応(サービス)をしてほしいという「期待値」をいまだに抱えていることに気づいた私。
海外で暮らす苦労ナンバー1ともいえる、「日常のちょっとした問題解決へのアクセスが困難」という現実。何がそんなに大変なのか?どうして大変に感じるのか?今回はそんな「駐妻あるある」のな実体験と乗り越え方についてお届けします。
目次
うまくいく駐在生活=自分の価値観の物差しは捨てるべし!期待するから苦しくなる!!
まず結論から述べると、「何も期待しないこと」。その一点に集約されるのが駐在生活の奥義だと思います。期待しないでいれば、裏切られたという感情も起きませんし、万が一物事が自分が思っていたよりうまく運んだらラッキー!と思えるし、ありがたいし、メンタルが乱されることもないでしょう。
とはいえ口で言うのは簡単ですが、実際に他人に対して期待値ゼロで接するなんて無理難題ですよね。しかし、物事の捉え方次第で、自分にとって困難に感じていた出来事も、辛い出来事ですらなくなるかも?!
体験事例①誤ってサブスクしていたサービスを解約したいが、解約の受け付けは電話のみ。
イスラエル国内での路上駐車(&公共機関の運賃)支払いアプリとして広く普及しているのが、Cello。自分の車のナンバー、GPS、クレジットカード番号を連動させることによって、ストリートパーキングでの駐車料金をアプリ決済できるシステムです。
スマホ決済が大前提なので、道端や路上に精算機はありません。だからと言って駐車料金を払わないと駐車違反で罰金取られることもある、ある意味なんとも理不尽なシステム。
そのアプリのUIは英語なのですが時折ヘブライ語の広告が出てきて、意図せずして有料サブスクリプション(駐車料金割引サービスみたいなもの)に加入してしまいました…10か月間も!(涙)
全く気づかなかった私が悪いのですが、月額17シェケル程度(640円)、しばらくぶりにアプリのマイページを見て「何の引き落とし⁈」となって、慌ててキャンセルしようとした、という次第です。
そこまではいいのですが、問題はここから。問い合わせページの案内を見ると、「○○○○に電話」!と。電話してみると、ヘブライ語の自動音声が流れていて、詰んだ…。となりました。
問い合わせページは全部ヘブライ語。ここはGoogle翻訳で切り抜けられます。
画面一番下に小さく書いてあるのは、問い合わせ時間。
Our digital and telephone service centers are open Sunday through Thursday from 8:00 AM to 3:00 PM and Friday from 8:00 AM to 12:00 PM.
稼働時間短い~~~(涙)!!
まだ文字でのコミュニケーションなら、Google翻訳でコピペ、またはGoogleレンズで切り抜けられますが、いちいちスクショやコピペをして、翻訳しないと文章が読解できない手間!!!このままサブスク続けちゃう?と諦めそうになりました。
しかも、上記の時間外にWhatsAppにメッセージしても、自動返信が返ってくるだけで進めず。
翌日になって、ようやくオペレーターと直接チャットできた&英語で返してくれる神対応でした!「英語が話せるオペレーターから電話するね」とまで言ってくれてありがたや~。
そこから数十分後にかかってきた電話は「ヘブライ語」で話し始めてましたけど…!状況を説明して退会希望を伝えたら、その場ですぐに処理してくれました。
サービスセンター(リソース)にたどり着くまでが外国人には非常にハードルが高いのですが、、、話がまとまるとそのあとの対応が早いのはイスラエルのいいところ。そして何より、カスタマーセンターの人が英語で対応してくれる、というところがすでにありがたすぎるのです!!!!
こんな些細なこと(サブスクサービスの解約)のために、ホームページをチェック&翻訳→メッセージを送る→Google翻訳→オペレーターとの電話、というところまでにかなりの時間を要し、10か月間も無駄にサブスクしていたことにもガッカリし、「なんでこんなことに…!」と思わずにはいられない、ちょっとしたトラブルでした。
ここで大事なのは、「どうせうまく解決できないけど、それは当たり前、だってここは外国だもの」と思えるかどうか。日本のサービス、対応の良さ、そして母国語でスムーズにコミュニケーションとれることなどと比較してはいけません!
そして小さなトラブルシューティングですが、自力で解決できた自分を褒めました!
この手のロードサービス、たとえばJAFに加入した外国人が解約したい場合を想定してみると、なんと英語での対応は有料です。
https://english.jaf.or.jp/join-us/procedures
通訳を介した三者間通話になる上、通話料も有料ダイヤル分を取られるので、スマホから電話したら20秒で11円かかります。これも例に挙げるなら、「え~~!英語で対応してもらうのにお金かかるの!?なんでフリーコールでやってくれないの?」と期待するのではなく、「対応してもらえるだけありがたい」と思えるかどうか。
自分が期待するサービスを受けられて当然だと思うと苦しくなるし、過去の自分の体験と比較しては、壁にぶち当たると折れそうになる。そんな場面が多々ある駐在生活でいちいちイラつかないためのポイント=(いい意味で)最初から期待値ゼロで取り組むこと、だと思っています。
体験事例②果報は寝て待て。last-minute(ギリギリ)の感覚はひとそれぞれ。子どもの海外遠征が三日前に決まった件。
今タームは、学校の部活動でテニスに打ち込んでいる我が子。varsity sportsと呼ばれる課外スポーツ活動の一つで、基本的に高校生で構成される「学校代表」のチームなのですが、トライアウトに合格すると中学生も入れてもらえる運動部です。
Varsityの選抜メンバーになると、最後に「国際試合」に出場して、他国のインターナショナルスクールとの対抗戦に参加できます。なんと我が子も代表派遣メンバーに選ばれたのです(補欠ですが)!!そこまではよかった。
コーチから、うちの子もメンバーとして連れていきたい、という電話がかかってきたのが5月6日。ちなみに遠征は21日~四泊五日の予定で、行先はオーストリア。海外です!!
この時点で、遠征まで約2週間です。私の感覚では、すでにギリギリのタイミング。
そこから数日後、11日(日曜日)に外部練習があり、送迎のときにコーチに会ったのですが…そこで言われたのが「航空券がまだ用意できてないんだよね」と…。ちょっと待って、遠征の手配できてないのにメンバーに選んだってどういうこと??という混乱と共に、急いで振り込んだお金返して~となりましたよ…。
なんたって、遠征費用はユニフォームやカバン代も含めて4500シェケル。約18万円…!!
部活の遠征・試合の費用としてはありえない値段設定ですが、経験値には代えられない、という親心で払いました。親ですら行ったことがないオーストリアに中学生のうちから遠征で行けるなんて、正直羨ましすぎます。
そもそも、なぜ「航空券がない」などという事態になったかというと。このところ、連続でイエメンからの弾道ミサイルが飛んできているのですが、いつも狙われるのがベングリオン空港だからです。
今月4日(日曜日)に攻撃されたときには、IDFは迎撃に失敗、空港の一部敷地に着弾して実害を被りました。
それ以来、ヨーロッパ系のエアラインは、テルアビブ発着のフライトを停止している会社が多数。エアフランス、ブリティッシュエアウェイズ、ルフトハンザ航空などの大手航空会社がフライトを止めているせいで(補償や保険問題などのせい)、オーストリア航空も飛んでおらず。イスラエル系航空会社・「エルアル航空」の独壇場再び、という現状です。
こんな状況では、航空券確保が大変になるのは当たり前。チーム全体もウィーンへのフライトを諦めて、ブダペストに飛んで陸路で試合会場まで行くというプランに変更されていました。
そして私に提案されたのは、「保護者も一緒にLCCの別便で飛んで、ブダペスト空港で合流しよう」というもの!一泊二日くらい、私もブダペスト観光してもいいかも?と思ったりもしましたが、このプランの場合、帰りのフライトはどうなるのか?と何度問い合わせても返事が来ず。っていうか無茶ぶりすぎる!!ここまでくると面白くなってきました(笑)。
この時点で旅の一週間前。もう、今回は行けないだろうなと諦めていました。
そして18日(日曜日)。最後の外部練習を終えた段階でもチケットが取れる見込みがない、今回は申し訳ないと学校から連絡をもらい、また来年よろしくお願いします~という雰囲気になっていたのですが…
その日の午後にまた電話がかかってきて、旅行代理店が航空券を押さえられそうと言っているんだけどどうする?行ける?と!はいお願いします、と二つ返事で頼みました!
三日後(水曜日)の飛行機に乗っているかどうか、ようやく決まった瞬間でもありました!ハンガリー&オーストリアにビザ不要でいける国民(パスポート)でよかったです…。
この電話を切ったあと「また詳細は連絡する」と言われたのに放置されたので、私もめげずにしつこくメールや電話をしまくり、翌日(19日)に往復航空券が確実に用意されたことを確かめました。海外旅行に行くか行かないか、二日前にようやく確信できるって何?ってあきれてしまった私。
当日の集合場所&集合時間もクレイジーで、チームは全員同じバスに乗って空港入りする決まりがあるので、午前2時半に某所に集合でした(遠いので車で送っていきました)。それも、事前に配布されたリーフレットには3時と書いてあって、3時だと思い込んでいた私。子どもが火曜の部活後のブリーフィングで二時半集合だと言っていた、と主張するので、それを信じてその時間に連れていったら正解でした。
この三週間、「オーストリアに行くか行かないか騒動」に巻き込まれて、非常にソワソワした日々でした。挙句の果てに、帰国する日の飛行機は3時間遅れ、という完璧なオチまであり、(親のメンタルが)波乱万丈な初の海外遠征でした。
当の本人は淡々とテニスに打ち込み、ダブルスで試合に出してもらえたらしく、高校生主体のチームとも堂々と渡り合い、予選リーグは2勝1敗で準決勝まで進めた!とコーチからも絶賛の声。普段からほとんどしゃべらない静かな子ですが、本人の自信につながる遠征になったことかと思います。
この一連の出来事に対して、「見通しが立たないこと」に対する苛立ちや焦りを感じていたのは(おそらく)私だけで、コーチも学校のスタッフも、「行けたらいいよね~、でも行けなかったら残念。あ、行けることになったの?それはよかった!」という超楽観的なスタンスを感じました。
アジア人の友達に愚痴ったら、「そんな不安定なプランに乗っかるのやめなよ」と共感してもらえましたが、、「計画性がないこと」に対してヤキモキしてしまうのは、相手が自分と同じくらい計画的で用意周到であることを期待するからゆえ、なのだと学びました。
目の前の困難や計画変更に対してうまくいかないこともあるけど、ほかの手段もないわけじゃないし、急がば回れ~♪という寛容性高めの心構えでいることが大事です。イスラエルで「計画通りの暮らし」をすることを期待してばかりでは、自分だけが疲弊する!という壮大な実体験でした。
何より、「保護者も一緒に外国に行くっていうのはどうですか?もちろん自腹ですけどね!」という提案が一番衝撃的でした(笑)。そこは「帯同する大人(コーチ陣)が一人LCCに移って、うちの子に座席を譲ってくれるっていうのはナシなのか?」と思ってしまいました。
日本の中高で実施される修学旅行は、先生の努力の賜物だなと思います。積立金を1年前から集金して、もちろん現地の下見にも行って、子どもたちにも事前学習をたっぷりさせて。「計画的に行動すること」の集大成ではないか?と思います。
かたやイスラエルでは、「行き当たりばったりでもどうにかなる、ギリギリになって帳尻合わせする方法は必ず存在する」ことを学ぶ方が合理的で、同時にサバイバル能力が高まるのかも?とすら思います。郷に入っては郷に従え、私もこの方法で乗り切るほかないのです。
まとめ:期待値ゼロで臨めば、物事がうまく行った時の喜びもひとしお!
今回は2つの事例を挙げて、「海外駐在生活で直面した困難の乗り越え方」について実体験を綴ってみました。前者(サブスク解除)は日本語だったらどうってことない事案にヤキモキした話、後者(無計画な海外遠征)は価値観の違いやイスラエルの厳しい現状(フライトキャンセルの山!)も相まって、これまでになく振り回された出来事でした。
どちらも「(問題解決は)最初からうまくいくはず」という期待を込めているがゆえのガッカリ感や、もどかしさが伴った出来事でした。「思い通りに進まない」、それは相手ありきなので当たり前なのですが、なんでも自分の物差しどおりに相手が動くという期待を捨てれば、どうってことないです!
駐在生活だけではなく、すべての事象にいえることかもしれませんが、他人は他人、自分は自分なので、過度な期待は禁物です!!!
そうすれば、結果がよければラッキー!うまくいかなかくても不運だっただけ、と割り切れる。そのマインドで日常生活を送っていけば、これ以上なく気楽な駐在生活が待っているのです!イスラエル生活2年目、私の今年のテーマは「期待しないこと」。「なんで自分はこんなこともできないんだろう」と落ち込みがちなタイプの人は、ぜひとも「期待値の断捨離」を決行しましょう!!