【イスラエル北部観光】イスラエル最大の湖・ガリラヤ湖(ティベリアス湖)へ♪

こんにちは、a-box-of-chocolateです。じわじわと気温上昇が続くイスラエル、だんだんと夏が近づいてきました。私のブログでは主に「平和なテルアビブでの日常生活」を綴っていますが、政治的枠組みで見るイスラエルは、また不穏な方向に動き出しています。
ヤフーニュースなどでも伝えられているとおり、IDF(イスラエル軍)はガザ地区への地上攻撃を開始し、すでに100人以上が犠牲になったとのこと…。数日前には、カタールや中東の国々、アメリカ加えて、また「停戦合意の話が進んでいる」というニュースもあったのですが。
まもなく戦争開始から600日ほど経ちますが、私がイスラエルに来てからですら何度も見てきた「停戦合意するする詐欺」…。戦争が終結しそうになると、イスラエル政府(ネタニヤフ政権)は何かしらケチをつけて、結局のところは「ハマスを根絶するまで戦争は終わらない」という方向性に持っていきます。(自分の首の皮をつなぐために!)
テルアビブでは、戦争継続への大規模デモが相次いています。トランプ氏のおかげでアメリカ国籍の兵士が一人だけ解放されましたが、それもイスラエル政権の手柄ではありません。いまだに人質解放を訴えている家族の気持ちを考えると、政権批判の機運が高まっている現状にも納得です。
そして、地上での軍事作戦を決行するということはイスラエル人兵士の犠牲も厭わない、という現実。これまでに知り合ったイスラエル人から、自分の娘や息子が徴兵されて戦争に参加することになった惨状、辛さ、悲しみ、怒り、様々な話を聞きました。「政府の大義名分、国の正義のため」に、わが子が犠牲になったら?そんなことを想像しただけで、胸が痛いです。
私は「進撃の巨人」というアニメが好きで全シリーズ夢中で見ましたが、あれはファンタジーだから面白いのです。それがノン・フィクションだったら?生身の人間が「巨人という悪(だと思っている相手)」と戦うことになったら??「心臓を捧げよ!」というセリフが、重圧としてのしかかってくる環境下にいる兵士(それも誰かの大切な娘や息子)を心配してしまう自分がいます。
少なくとも、私の周りでは(テルアビブ周辺では)「戦争反対派」の人が圧倒的に多く、このクレイジーな状況を早く終結させてほしいと願う人の方が大多数なのです。世界で報道されているイスラエル軍の動き=国民の意見の集約ではない、というギャップが非常に大きいなと感じています。
日本語のメディアでは「イスラエルが攻撃を仕掛けて、ガザで戦争をやってます」というところしか伝わらないので(でもそれもまた事実です)、国内で何が起きているのかは、左派(リベラル派)のメディア「ハアレツ」や、わりと中道派な英語メディア「The Times of Israel」もチェックしてみてください。
イスラエルの近況報告が長くなりましたが!今回の記事では【イスラエル北部】に焦点を当ててお届けします。都市圏以外のイスラエルにも、見どころはありますよ~!
目次
【イスラエル北部】歴史と自然が織りなすイスラエルの水源、ガリラヤ湖!
テルアビブから車で二時間~二時間半ほど北上したところに位置する、ガリラヤ湖。淡水湖でありながら世界で最も低地にある湖の一つです。湖の面積は約166㎢で、周囲には豊かな自然と歴史的なランドマークが広がっています。この湖はイスラエルの水供給の生命線であり、多くの人々の生活を支えています。
この湖、少々紛らわしいのですがいろいろな呼び名があります。「ガリラヤ湖」が一般的な名称で、英語表記は “Sea of Galilee”。「ガリラヤ地方」にあることに由来した呼び名です。
ほかに、湖の西岸にある都市「ティベリアス」にちなんで「ティベリアス湖」とも呼ばれています。グーグルマップ上の日本語表記も、「ティベリアス湖」です。
そしてヘブライ語での呼び名は「キネレット海(יָם כִּנֶּרֶת)」。現在のイスラエルでは公式な名称として用いられています。聖書由来の呼び名です。
海に面しているイスラエルにとって、ガリラヤ湖は貴重な淡水の供給源です!主な水源はヨルダン川で、間接的にではありますが、下流に位置する死海まで繋がっています。
古代ローマ時代に栄えた街:「ティベリア(Tiberias)」
イスラエル北部はレバノンとの国境に近く、ヒスボラとの戦争が活発している間は全く行ける状況ではありませんでした。むしろイスラエル避難民も数多くいて、観光どころではないエリアでした。この記事で紹介している写真などは、停戦合意後(2025年2月)に訪れたときに撮影したものです。
ガリラヤ湖畔の西側には、「ティベリア」という古代都市があります。
小さな町ですが、ローマ帝国時代にヘロデ王によって建設された町で、当時の城壁やローマ浴場が残っています。近年では温泉リゾートとして人気がある観光スポットです!
穏やかで美しいガリラヤ湖。
湖沿いには、ビーチやホテル、プール施設やスパも立ち並んでいます。
湖の反対側は、美しい緑地(山)が広がっています。
イスラエル南部は砂漠だらけですが、北部は自然豊か!そんなギャップもまたイスラエルの魅力の一つです。
私がこのエリアで訪れたのは「ティベリアス国立公園(Hamat Tiberias National Park)」。
名称は国立公園なのですが、実際のところは想像以上に小さかったです…。
https://en.parks.org.il/reserve-park/hamat-tiberias-national-park
公園の入り口は非常に立派なつくりです。ローマ時代の城壁の名残です。門をくぐるとすぐに見えるのが、こちら。
小さな温泉!!
小児用プール並みに浅い温泉が数か所にありました。
この日は空がすっきりしていないのでわかりづらいですが、写真奥はガリラヤ湖!温泉につかりながら湖を見下ろせる、絶好のロケーションではあります。
が、烏の行水のごとく、小さな温泉に人、人、ひと!(笑)
訪れたのは二月ですが、みなさんもう水着一丁でウロウロ、温泉(けっこうぬるい)を堪能していました。
入場料は、大人16シェケル(640円)、子ども7シェケル(280円)とお財布に優しい価格設定なので、スパやプールに行くよりは格安です!!地元民なら通ってしまうかも?
源泉もありました!硫黄のかおりが漂っていて、本当に温泉だ~~~!!!とテンションアップ!このお湯は60℃近い高温のため、触るな危険‼サインが出ていました。
そして、さらに温泉施設感が増す「足つぼマッサージコーナー」!!
イスラエルに、「足つぼ」の概念があったことに驚きました。「リフレクソロジー」を屋外で楽しめます!
激痛過ぎて、素足で歩くのしんどかったです…。足つぼマッサージ&温泉、健康の湯!というオーラ漂う国立公園というコンセプトが、私にとっては非常に新鮮でした!
3度も建て直された、というシナゴーグ址もあります。
シナゴーグから発掘された「モザイク」。空調がが効いた部屋で保存されています。
公園内は、ティベリアの城壁址やラビ(宗教家)のお墓、シナゴーグなどがたくさんあります。ユダヤ教の聖地、そしてキリスト教徒にとってはイエス伝道の舞台として、巡礼に訪れる人も多いそうです。
ガイドブックに載っていない⁉絶景スポット!アルベル自然保護区(Arbel Nature Reserve)
さて、ティベリアス国立公園が想像以上に小さくてすぐ見終わってしまった後、どうしよう??となったときに見つけたのが、こちら、アルベル自然保護区。
公園のパンフレットに載っていた「近隣サイト」のオススメの場所に行ってみました。ティベリアス国立公園から車で20分で行けます。
ここも「国立公園」扱いです。
https://en.parks.org.il/reserve-park/arbel-national-park-and-nature-reserve
入場料は大人31シェケル、子ども16シェケルです。
かなり山道を登った先にある自然保護区、その景色は「圧巻」の一言!
見通しがいまひとつではありましたが、ここからは湖だけではなく、ヨルダン渓谷、ゴラン高原、ヘルモン山の眺望が楽しめます。
野生動物や、ベドウィン族が飼っていると思われる山羊の群れにも出くわしました。ごつごつした岩場に囲まれた土地ですが、ちょっとしたハイキングコースになっていて、散策も楽しめます。
こんなにも緑が豊かで、透明できれいな湖もあるイスラエル北部。戦争の影響など微塵も感じない穏やかな地域で、息をのむような美しさや、リフレクソロジーまで満喫できる温泉地で癒しを求めることができる観光地なのです。
国内のいろいろな場所に行くたびに思いますが、「イスラエルは全世界に向けて、もっと観光プロモーションに力を入れた方がいい!」と心から思います!!
ガリラヤ湖畔で巡る、宗教的・歴史的に重要な教会や建物
今回は日帰り小旅行という形でガリラヤ湖を訪れたので、湖の南部、The Lower Galilee周辺しか巡れませんでしたが、北側(The Upper Galilee)には、いわゆる”Holly Land”が広がっています。
キリスト教系の聖地ですが、「タブハ」と呼ばれる地域(湖の北側)を歩くと、「パンの奇蹟の教会」や「山上の垂訓教会」などを巡ることができます。
エルサレムもそうですが、「イエス・キリストにまつわる重要な土地」と言われても全くピンとこない私ですが…、せっかくイスラエルに住んでいるので、(またヒズボラとの戦争が激化する前に)湖の北側も散策してみたいと思います!
【お得情報】イスラエル観光をするなら、Israel Passを購入しよう!
https://en.parks.org.il/israel-pass
イスラエルには数多くの国立公園があり、大半の場所で入場料が発生します。料金はだいぶ差がありますが、複数の公園を訪れるのであれば、圧倒的にお得な【イスラエル・パス】の購入がおすすめです。
【短期滞在者向け:イスラエル・パス・クラシック】
https://fe.sales.parks.org.il/tickets
最小一か所から~(38シェケル)。全施設対象チケット(175シェケル)もあります。有効期限は最初に使用した日から2週間です。交通手段は自家用車で、イスラエルを南北縦断する!といった旅行に最適です。
【交通費もコミコミ!イスラエル・パス&ライド】
こちらも有効期限は二週間ですが、バスや電車賃が40%オフになるお得なチケット。3箇所で78シェケル、6箇所で110シェケル、すべて対象は150シェケル。ラブカブ(交通機関で使える電子カード)一体型カードです。
テルアビブ市内のバスや電車(地下鉄)は、1ライド8シェケルに値上がりしてしまいました。公共交通機関で移動しながら観光するなら、かなりお得なプランです!
【在住者向け:Matmon(マトモン)】
https://fe.sales.parks.org.il/subscriptions
こちらは全施設対象の年パスです。人数によって値段は変動しますが、大人一人分だと208シェケル。私はデュアルパス(大人二名)を購入しました(316シェケル)。2年パスを買うと、さらに15%OFFになる大変お得なカードですが、戦争etcで国立公園がクローズしたら無駄遣いとなってしまうので、ひとまず1年分購入しました。
ファミリーパス(子ども込)はさらに安いので、人数が多ければ多いほど、お得になる仕組みです。
国立公園一か所の入場料が30~50シェケル程度ですので、月1程度でのお出かけでも全然元取れるお値段かな?と思って購入しました。現に、カード対象の施設に行ってみよう=イスラエルでもっと旅行してみよう、というモチベーション維持にもなっています。
繰り返しますが、戦争プロモは終わりにして、キプロスやヨルダンみたいに【観光大国・イスラエル】に舵を切ってほしいなぁと思うほど、美しい自然が堪能できる国です!!これからも、私が訪れた場所についてはブログで発信していきたいと思います。