【続・備忘録】2026年3月、イラン戦争 in テルアビブ生活。

tikva

こんにちは、a-box-of-chocolateです。2月28日土曜朝から始まった戦争も二週目に入りました。私のブログのカテゴリー、「テルアビブ日常生活」には「戦争生活」が含まれているのがなんとも言えませんが…これが「イスラエルで暮らすこと」の一部であるため、私個人としてはもう仕方ないかな、という心境です。

この記事のサムネは、元Hostage Square (人質広場)にあるモニュメントです。tikva、すなわち”hope”という言葉なのですが、状況の好転というか、和平的な着地点を願わずにはいられません。

さて、大爆音で届く「緊急速報メール」に毎回心臓が持たずたじろいでいたのですが、スマホの設定次第で「緊急速報メールを受信しない」を選択できることが発覚!あの爆音がミサイルより怖すぎるのでその通知は切り、いまはTseva Adom (Red Alert) というアプリのみ利用しています。AndroidiPhoneどちらもダウンロード可能です。

昼夜問わずにサイレンが鳴り響き、ひとまずシェルターに行っては出る…そんな生活をズルズルと続けていて、日付や曜日の感覚はおろか、時間の感覚まで溶けていくような、そんな日々です。記憶が曖昧になる前に、備忘録第二弾を綴ります。

Roaring Lion(イスラエル)、Epic Fury (アメリカ)。軍事作戦の先にあるものとは。

はじめに。前回の記事で、Roaring Lionという作戦名はバイブルネームで、聖書の解釈だとLion= Evilを象徴するもの?と考察したのですが、私の解釈違いでした。

それもそのはず、ここはJudaizmの国。「旧約聖書(ヘブライ語聖書)」によるライオンとは、神、あるいは王の計り知れない力、権威を象徴しています。Lion of Judah(ユダのライオン)という言葉もあり、伝統的にユダヤ国家、文化を象徴する生き物=ライオンの強さ=すなわち、勇敢に敵に立ち向かうイスラエル国家を象徴する作戦名、という解釈の方がしっくりきます。

Yechad Nenatzeach! -Together we will win! このメッセージとともにライオンイメージ画像が市内のビルボードにも出ています。戦争のスローガンです。

街中のあちこちで、「アメリカと共に戦おう!」という強いメッセージ性を感じる看板や国旗掲揚が見かけられます。

「ライオンの咆哮」。某カードゲームの名前のようなかっこいいネーミングセンスだなぁとぼんやり考えている一般市民の私です。吠えて吠えて吠えまくるイスラエル軍。これが正義なのか、犯罪なのか。それは誰が判断するのか。

93%のユダヤ教徒(イスラエル人)がこの戦争を支持している、という世論調査の結果すら出ているので、イスラエル人的には徹底的にやれ!と思っている支持層が圧倒的です。ハマスとの戦争はあんなに停戦を臨む声が高まっていたのに…。

おそらくイランに負ける気がしないと思っている人が大多数。イラン革命(1979年)以降、国交を断絶した46年分の恨みを晴らしてやる!!と意気揚々と立ち向かっているのでしょう。

しかしながら今の私は、「連日のアラートとサイレン、いい加減にして!!」という感想しか持てないところにいます。

連綿と続く、シェルター往復生活。テルアビブはどのくらい危険なのか?

感覚がマヒしているといったらそれまでなのですが、1日に最低4~5回はサイレンが鳴る生活です。Home Front Commandのページでは、エリア別の警報回数も確認できるので、テルアビブをチェックしてみました。



土曜日は7回も鳴ったのですが、傾向と対策としては、やはり深夜と明け方の嫌がらせ感が強いです。

睡眠を削り、夜中に不安感を煽るミサイル攻撃、メンタル面にきます。

しかしながら、この警報の合間を縫って(?)それなりに外出もできますし、店もカフェも通常営業しています。先週の金曜日(6日)は本当に天気も良くて、私も久しぶりにビーチまで足をのばしてみました。

ビーチサッカー大盛況。ワークアウトしているお兄さんもたくさんいました。

スマホ携帯は必須ですが、このビーチ沿いはホテルや大使館もそれなりにあるので、警報が鳴ったらすぐに屋内に駆け込めばいいや~、という楽観的思考で(私もその一人)、散歩やランニングに励んでいる、シャバット。いつもどおりの金曜日!と錯覚するほどでした。

ちなみに金曜からモールも営業しているので、Dizengoff Shopping Mallにも立ち寄ったのですが、そこで警報が。大型ショッピングセンターの駐車場はもちろん「避難所、Safe Space」なので、大勢の人が逃げ込んでいる…というかむしろ、そこで暮らしている人も多々。

シティキャンプ!自宅にシェルターがない人は、もはや駐車場に住んでます。(笑)

スマホに警報通知が来る→シェルターに移動する&サイレンが鳴る→だいたい10~15分くらいシェルターに留まる→End of Stayの通知が来る→外に出ていつも通りの生活を続ける。

これの繰り返しです。とにかく重要なことは、「警報を無視しないでしっかりとシェルターに逃げること」。この行動をするかしないかで命が助かる可能性は格段に変わります。ケガ人は、ベランダ撮影族や、家が古くて室内シェルターがない人が避難しきれていないパターンも含まれているかと…。

【いざというときに役立つ(?)戦争関連のヘブライ語】

さてここで、戦争サバイバル生活に欠かせないヘブライ語をメモ書きしておきます。

צֶבַע /Tseva (=color) אדום /Adom (= red) 

“Red Color”というアラートシステムの名称です。

צופר /Tzofar (= siren, horn)

מקלט / Miklat (= bomb shelter)

ממ”ד / Mamad (= safe room)

※これが自宅に備え付けられている「シェルター」。うちの場合はベッドルーム兼です。鉄扉と鉄窓があります。

מֶרְחָב מוּגָן / Merchav Mugan (=a protected space)

ショッピングモールや駅などでよく見かける表記です。一般的な「安全地帯」を指します。ライトレール(テルアビブ市内を走る路面電車)の駅も、地下駅は全部シェルターになっています。

シェルターが身の回りのどこにあるのか把握しておくことも、身を守るうえで欠かせません。

miklat
我が家の鉄窓。かなり重たいです。

違法爆弾・クラスター爆弾の恐怖!!

双方の攻撃において国際人道法に違反することは、もはやイスラエル軍もいろいろやってると思います。IDFはレバノン攻撃で白リン弾を住宅地上空で空中爆発させた、というニュースも見かけたので、もはやお互い様というか、やった・やられたの応酬は混沌としていて、だからこそ「戦争」なのだろう、という状況です。

一方でイランは、クラスター爆弾を積んだ恐ろしい弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射してきています。

日曜日には、迎撃し損ねたミサイルがテルアビブにも着弾、クラスター爆弾やデブリ(残骸)によってケガ人や建物破壊が発生しています。たとえ迎撃できたとしても、小さな爆弾があちこちに飛び散っていくため、着弾地点も予測不可能…これはかなり怖いです。不発弾やデブリがあちこちに飛散しているようなので、迂闊に近づいたり触ったりしないことが、なによりの自衛です。

隣国ヨルダンでも、瓦礫落下被害は拡大中。3月1日までに73箇所でのデブリ落下被害が確認されています。

中東全域に広がる恐怖と混乱

最後に、中東各地へのイランの攻撃をざっとまとめます。(BBC報道より)

〇サウジアラビア、クエート、バーレーン、UAEの政府は、イランによるミサイル・ドローン攻撃があったと発表。

〇クウェートでは政府庁舎で大きな火災が発生。

〇UAEは、防空システムが弾道ミサイル16発とドローン113機を迎撃したと発表。ドローンがDubai International Airportを攻撃したとみられる。この1週間でミサイル238発とドローン1,422機が同国に向けて発射されたという。

〇バーレーンでは海水淡水化施設が損傷し、ミサイルの破片で3人が負傷。

〇戦争が始まった2月28日以降、オマーン、サウジアラビア、イラクでも攻撃が報告されている。

〇世界の石油・ガスの約20%が通過するホルムズ海峡では、イランが船舶攻撃を示唆したことで海運が大きく混乱している。

戦火は中東以外にも広がっています。

〇アメリカの潜水艦がスリランカ沖でイランの軍艦を撃沈したとされ、乗員130人中87人が死亡。

〇アゼルバイジャンは、ナヒチェバン(Nakhchivan)でイランのドローン攻撃により2人が負傷したと主張(イランは否定)。

〇キプロスにあるイギリス空軍基地が3月1日にドローン攻撃を受け、英政府はヒズボラがレバノンから発射した可能性があるとみている。

ヒズボラとイランの手の届く範囲、全ての国(イランの西側諸国)に攻撃している革命軍。基本的にはアメリカの軍事基地を対象としているのでしょうが、ドバイやアブダビなど戦争とは普段は無縁な国にまでミサイル攻撃が相次いでいる現状は、本当に異常としか言えません。

イスラエルにすら届く弾道ミサイルの威力ですから、クエート、バーレーン、UAEなどは発射されたと思ったらすぐに到達してしまう距離だと思います。

オマーンの首都マスカット、およびサウジアラビアの首都リアドからは、政府のチャーター便による邦人の国外退避が進んでいる、というニュースも見ました。イスラエルから陸路でサウジアラビアに行くのは無理なので諦めますが(笑)。特にドバイなどは旅行者、出張者、そして在住者も格段に多いと思いますので、みなさんが安全無事に避難できることを願っています。

UAE、キプロス…どこもイスラエルに駐在し始めてから訪れた国々。ここですら狙われてしまうなんて!ヨルダンは完全にもらい事故です!しかし一方で、「中東(Middle East)」がいつまでも混沌としていてなかなか政情不安がぬぐえないのは、こうした紛争(軍事行動)の可能性をはらんだ地域であるからなのだと痛感しています。

イラン戦争、Day 10。テルアビブでの”日常生活”は継続中。

さて、2025年6月は「12日間」で決着がついたイスラエル・イラン戦争。「ツルの一声(停戦)」はまだかな?と待っているのですが、今回はもっと長引きそうです。

2026年3月9日時点では、イランが白旗を振るつもりもないでしょうし、新指導者にモジタバ師(ハメネイ次男)が選出されたばかりです。トランプ氏に至っては、高濃縮ウランを確保するために地上部隊を派遣する可能性すら示しています。イスラエルはもちろん、完膚なきまでに叩きのめす気満々でしょう。

それぞれの国の兵士や国民の死者・犠牲者を含めて、大きな痛み分けをしているとしか思えない毎日です。6月のときも思いましたが、自国にとって危険な国は軍事力をもって制圧する(先に潰す)、という考え方は、私はどうしても受け容れられないというか、生まれてこの方感じたこともない闘争心剝き出しの状態にたじろぐ一方です。平和な日本でぼんやりと生まれ育ってきた私は、本当に頭の中お花畑というか、恵まれているというか、危機感が足りないのかもしれません。

「国民が一致団結してこの窮地を乗り越えよう!!」というメッセージが溢れる街中の様子を見ていても、これが「戦争に巻き込まれている状態なのだ」と実感させられます。そのためなら、シェルター避難生活を余儀なくされても仕方がない、と私は思えないのですが!

こちらのインスタグラムが、まさにドンピシャでテルアビブではこんな暮らしをしている!という様子を素晴らしくまとめていますので、ぜひご覧ください。

私の感情論はともかく「生活」を維持するには何も困っていないので、家族でおとなしくテルアビブに留まっています。こどもの学校はオンライン授業で継続していますし、ネットフリックスに加入してWBCものんびり観戦していますし、コロナ禍のステイホームよりは自由度の高い引きこもり生活をしている、といった具合です。

コロナ禍パンデミックはイギリス駐在期間だったのですが、2021年1月~3月上旬(本帰国時)まで、学校すら完全閉鎖の「ロックダウン」を経験した我が家。およそ90日、外に出たら未知の病気になるかもというストレスと、外出したら罰を受けるという抑圧に比べたら…!まだまだたった10日間、外出の自由も奪われていないので(自己責任の範疇で)、ひたすらダラダラ生活に拍車がかかるだけ、という毎日です。しかもイスラエルにはさんさんと降り注ぐ太陽の光、まさに「陽パワー」がみなぎっているので、寒い寒いロンドンで引きこもっていたときより、桁違いに開放的な気分です。

これだけ在宅しているのだから、ダイエットするなり、放置しているヘブライ語をやるなり、時間はものすご~くあるのですが…生きるか死ぬか?という「戦争という非日常」において、そんな有意義なことに時間をさけるほど、私はできた人間ではありません(笑)!

コロナと比べるのもどうかと思いますが、「ミサイルが飛んでくる戦争」というのは、もっと確実性の高い脅威と向き合っているというか、そこには人間の意志(悪意または正義感)があり、手に負えない恐怖や確率に左右されるものではない、と思っています。自宅にミサイルやロケットが直撃するという事態になったら、それは運が悪かった、というしかないかもしれませんが。そんなことで私の運を使い果たしたくないので、少しでも「安全でいられる行動」を取り続けることが唯一の選択肢だと思って、この「非日常な日常」を過ごしていきたいです。日々の些細な行動が、数日先の徳を積んでいると思うことにします!

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