【備忘録】2025年6月。イランからの弾道ミサイル攻撃。

こんにちは、a-box-of-chocolateです。「日常生活が一変する」とは正にこのことで、ここ数日間、シェルターを行ったり来たりする地獄の日々を送っています。このブログを更新できるほどには元気で、環境も整っている状況ではあります。

ロシュ・ハシャナ―(2024年10月)以来の、イランからの集中砲火。お互いの国が戦火に包まれ、エスカレートしていく日々の実録です。

13日の金曜日!緊急事態宣言、対イラン戦の始まり。長い長い夜の始まり。

6月12日木曜日

在イラクのアメリカ大使館が、駐在員を避難させ始めたというニュースが流れ始めたあと、イスラエル国内の館員に対しても、テルアビブやエルサレムなどの居住地から移動するな、という告知が出ました。

私は昼間はのんびりと遊びに出かけていたし、そこまでの緊張感はなく。ところが子どもの学校は放課後アクティビティが中止になり、3時過ぎに完全下校。なんだかきな臭いなと思っていた矢先、民間企業出向者の友人は会社命令でスイスに退避することになったという連絡が!その日の夕方のフライトで急きょテルアビブから離れていきました。

それでもこの時点では、「そんな大袈裟な~」と思っていた私。それでも食糧不足は心配になったので、夕方少しだけスーパーで買い物しました。至って普通の日でした。

6月13日金曜日

迎えた夜。金曜未明(午前3時頃)。「イスラエル軍がイランへの攻撃を開始したので、国民は報復攻撃に備えて安全確保に務めること」というアラートメッセージがHome Front Commandから発せられました。すなわち「イスラエル全土の緊急事態宣言」のスタートです。Cell Boradcastという通信技術を使ったスマホへのダイレクトメッセージなのですが、これが怖いんです…けたたましいアラート音とともに届く、恐怖のヘブライ語メッセージ…。

これを受信するたびに、絶望感が漂います。こんな深夜に叩き起こされて何事かと思いきや。イランを攻撃し始めちゃったから気を付けてって、何をどうやって気を付けるのさ!!という気分でした…。「Rising Lion」とかいうかっこいい名前のオペレーションが始まりました。

すぐに休校のお知らせメールも来て、とても不穏な夜を過ごしました。翌朝、学校も休みになったことだし~とゆっくり起床すると。

イランからドローンが100基襲来!この国に来て以来感覚がずれている私は、「ドローンくらいならたいしたことなくない?でも小さいから全部迎撃しきれるのかなー?」と、まだ高をくくっていました。

地元のテレビでは、テヘランを中心にイランの核施設を狙って攻撃しつづけるイスラエル軍の映像が。「これはただことではない」とようやく悟ったわけです。

それでも、イスラエルとイランは、1500km離れているので、ドローンが来ると行っても数時間のタイムラグがあります。「まだ来ないよ~、イラクの上空でもドローンが観察できるよ~」と、のんびりとドローン情報を流すテレビを見て、まだ余裕を感じていたのも事実。

そして、【この戦い(オペレーション)は2週間は続くだろう】という予告が⋯やめてーーー!!!

町中の空いているスーパーではパニック買いが始まりました。そもそも、イスラエルのスーパーは金曜日は午後1時半頃には閉まるので、みんな大慌て。

私も、水を貯めたりご飯を多めに炊いてみたり、インフラがダメになったときを想定して少し備えました。

6月13日夜9時

夜。またあの絶望を与えるメッセージが。

シェルターに避難しているときは、外で何が起きているのか全く見えないし、わかりません。

ネットも弱くて、ニュースを確認することもできません。

ただひたすらに、爆撃音(イスラエル軍が迎撃する音)がドーン!ドーン!!と鳴り響く恐怖に絶えるしかありません⋯。

そして後から分かる、絶望的な状況。

迎撃音だけではなく、ミサイルが直撃する爆発音も含まれていました。

自分が見たことのある景色が爆撃されている様子を見て、恐怖はさらに募ります。

一度シェルターから出た時に見たテレビで知る、市内の惨状⋯。

ここから、もう記憶がはっきりしないほど、何度も何度もミサイルアラートが鳴って、寝室とシェルターを行き来しました。

第一波と第二波は、ほぼ続けざまにやってきたような。。

150発の【弾道ミサイル】が撃ち込まれました。

6月14日土曜日深夜1時すぎ

またもやアラートに叩き起こされた直後、第三波が。

このときは大きな振動と爆発音が聞こえ、「まさか自分のマンションに直撃した?」という予感さえもよぎる恐怖でした。

シェルター(鉄格子の窓+二重扉)は、安全な場所とはされているけれども完璧に命を救ってくれる場所ではないのでは!と、その安全性を疑いたくなる恐怖。

英語の字幕が出るメディアで確認すると、やはりまたテルアビブ市内を直撃。

(注:SNSで検索すると、ミサイル墜落現場や詳細が載っている情報もありますが、情報統制もあってメディアへのポストは禁止されています。ですので、詳細は控えます。)

救急車やパトカーのサイレンが外で鳴り響くのをぼんやりと聞く、長い長い夜でした。

一連の恐怖とショックで、寝付いたのは午前3時でした。

6月14日朝

夜が明けて、またまた明らかになるテルアビブ市内や郊外の惨状。迎撃システムは作動しているけれど、200発近い弾道ミサイルを全て迎撃できたわけではありません。

それらのミサイルはどうなるかというと、そのまま民家やビルを直撃です…。

「自分の家がイランから飛んでくる弾道ミサイルに撃たれる可能性」と、「宝くじで1億円当たる可能性」とどちらが高いのだろう?なんてぼんやり考えてしまいましたが、いまこの現状でいうと前者の方が圧勝です。

正直、昼間の時間帯はいたって平和です。スーパーマーケットなどのエッセンシャルショップは営業していますし、市営バスも普通に走っています。通勤通学、集会等は禁止されていますが、昼間のひと時は、戦火を忘れてほっとできるひと時でもあります。(ついでに昼寝も!)

6月14日深夜以降も、無限ループで続くシェルター避難生活

なんだかもう、時間の感覚もなくなりそうなくらい、毎日毎日「今夜はどうなるんだろう…」と考えながら過ごす日々です。

傾向と対策としては、夜8時以降は要注意、22時以降は確実に避難に備える必要あり、深夜1時~4時は無法地帯。そんな日々です。

子どもが赤ちゃんだったころも、泣き声に起こされては目が覚め、泣き止まなくて途方に暮れるという経験ありますが、あれはなんて幸せな「夜中の目覚め」だったのだろう、と今は思います。少なくとも、命の危険に晒されて2~3時間おきに起こされるわけではありませんから!

実はまだ、ことの発端(13日未明)から4日も経っていないのですが、もう1週間もしくはそれ以上時間がたったかのような、長い長い毎日です。

非常に重苦しい空気が漂うイスラエル。この攻撃は、イラン壊滅という希望を求めているのか?それとも国民を危険に晒して絶望を与えたいのか?どちらの国も、国民の命を脅かされ、日常生活を破壊されて、お互い多くの犠牲を払いながらも、もう後には引けない!という雰囲気です。

ものすごいわがままを言わせてもらうと、「なぜ今なんだーーー!!」という気持ちでいっぱいです…。イランにはイランの、イスラエルにはイスラエルの事情があるのはわかりますが、私には関係ないし!!私の人生においては、ピンポイントでテルアビブに住んでいるのは(相対的には)たった一瞬の出来事。なのに…なぜ今なのか…!!!

「外国の弾道ミサイルに当たって死ぬかもしれない」という脅威は、日本で生活していると感じにくいですよね。でも、実際北朝鮮は飛ばしてきているわけだし、軍事力強化している中国だって、そういう武器を隠し持っている可能性は高いです。(そもそも、イランの後ろ盾は中国!)

そうなってくると大事なのは外交政策で、一歩間違うと「国民と共に心中する」というパールハーバー的な思想&作戦に舵を切ってしまうのでしょう…。

この状況に置いて、こんな一介の駐妻にできることなんて、何もないです。ただひたすらに、危険性が迫る場所(瓦礫の近く)に行かない、不要不急の外出はしない、サイレンが鳴ったらシェルターに直行。それくらいの自衛が精いっぱいです。

とても勇敢な(無謀で破天荒な)イスラエル人は、昼間は平穏なので外でランニングしたり、ビーチやプールに繰り出してみたり、けっこう自由気ままに「今を生きている」人もいます。ウォルトの配達員の人も、自転車やバイクで普通に行き交っています。さらに、Xなどを検索してみればわかりますが、「スクープ映像」を撮ろうとしているのか、サイレンが鳴っているのにベランダでミサイルを撮影しているツワモノものいます…。すごい国に駐在してしまったものだと、有事の際は思い知らされます^^;

イスラエル軍は、「核関連施設と、弾道ミサイル発射台(約2000発と言われる)を壊滅させるまで攻撃する」そうです。もう乗り掛かった舟、ここまで来たら全力で応援するしかありません!!先制攻撃したんだから、結果出してくれ!!!国土を全力で守ってくれ!!と願うしかありません!(やけっぱち!)

一寸先は闇、という言葉が相応しい毎日です。今夜も弾道ミサイルが来るのか?来ないのか?と怯える日々から、一日でも早く解放されたいです…。ちなみに、唯一の国際空港であるベングリオン空港は完全封鎖中。陸路でヨルダンに脱出以外、イスラエル国内にとどまるほかないのです。

それもこれも、That’s life, 今生きていることに感謝して、楽しい夏休みの計画が実行できる日を楽しみに過ごしていきたいと思います。

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