PR

【イスラエル】中東の小国。テクノロジー大国への道のり(ハイテク産業編①)

※当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

テルアビブ日常生活

こんにちは、a-box-of-chocolateです。2025年が始まりました!クリスマスもハヌカも年末年始も、絶え間なく鳴り続けていたミサイルアラート…。イエメン、そしてハマスからの攻撃および防衛が激化し、正に年中無休で闘っているイスラエル軍。ある意味、本当にすごいです。今年こそ、本当に今年こそは、戦争のない平穏な日常がもたらされますように。心の底から祈っています。

そんな「国防のための軍事力」を強化し、長期化する戦争を支えるのは、イスラエル国内のハイテク産業。最先端技術のおかげで国は守られ、経済的な発展も遂げています。それに対し、日本国内のハイテク産業がどういう状況であるのか、みなさんご存じですか?外国人に英語で説明できますか?

本日は「もっと知っておくべき日本のこと」シリーズ(化したいトピック)より、「ハイテク産業」について取り上げてみたいと思います。第一弾は、イスラエル国内の最先端テクノロジーの発展についてお届けします。

スタートアップ企業の宝庫・イスラエル。ハイテク産業はどのように発展してきたのか?

まず最初に「ハイテク産業とは何か?」という曖昧さ回避のため、以下のように定義します。

  • ハイテク産業:先端的な技術を要する産業で、半導体や光ファイバーなどの新素材、航空機、宇宙など、その分野は多岐にわたります。経済協力開発機構(OECD)は、製造額に対して研究開発費の割合が高い産業をハイテク産業としています。
  • ICT産業:情報通信技術(ICT)に関する産業で、電話やパソコン、インターネット、携帯電話などの情報処理や情報通信に関するさまざまな産業を指します。ICT産業の分野には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、映像・音声・文字情報制作業、情報通信関連製造業、情報通信関連サービス業、情報通信関連建設業、研究などがあります。

ICT技術とハイテク技術はオーバーラップするところがあるかと思いますが、技術の応用で新しい製品やサービスを生み出し暮らしを豊かにするという点では、どちらも欠かせない産業であるといえるでしょう。

イスラエルのハイテク産業を語る上で欠かせない人物=「シモン・ペレス氏」

私はイスラエルに来るまで、その存在すら知らなかったのですが…イスラエルの発展し大きく貢献してきた人こそ、シモン・ペレス氏。彼が設立した「ペレス・センター」を訪問した時に初めて知りました。彼の功績については以下の通りです。

シモン・ペレス(Shimon Peres、1923– 2016)は、イスラエルの元首相および大統領。また長年にわたる政治家、外交官として広範な功績を残しました。彼の業績は、イスラエル国内外での平和構築と経済発展、科学技術の振興に大きく関連しています。

1. オスロ合意の推進

  • ペレスは1993年のオスロ合意に深く関与しました。この合意はイスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)との間で署名されたもので、パレスチナの自治権を認め、平和的解決への道を開くものでした。
  • この功績により、ペレスはイスラエル首相イツハク・ラビン、PLO議長ヤーセル・アラファトとともに、1994年にノーベル平和賞を受賞しました。

2. イスラエルの軍事力強化

  • 1950年代、ペレスはイスラエル国防省で重要な役割を果たし、国の防衛能力を強化しました。
  • イスラエルの核計画の基礎を築き、国の安全保障に寄与しました。

3. 経済と科学技術の振興

  • ペレスはイスラエルを「スタートアップ国家」として発展させるために、科学技術とイノベーションに注力しました。
  • 彼のリーダーシップの下、ハイテク産業が発展し、イスラエルの経済成長を支える柱となりました。

4. 平和の提唱者としての活動

  • ペレスは政治家としてだけでなく、平和活動家としても世界中で知られていました。引退後も平和と協力の推進を目指すシモン・ペレス・センターを設立し(1996)、教育、文化、経済開発を通じて平和の構築に取り組みました。

5. イスラエル大統領としての活動(2007–2014)

  • ペレスはイスラエルの大統領として、国の内外で象徴的なリーダーシップを発揮しました。
  • 政治的な争いを超えた人格者として、国民の統合に努め、国際的な尊敬を集めました。

イスラエル国の建国(1948年)以来、政治家として、そして技術者として、国の礎を築くことに全力を尽くしてきたペレス氏。そして90年代後半、科学技術革新を国を挙げて推し進めていくために、「ペレス・センター」を設立。当時70歳を超えていたペレス氏ですが、なんという素晴らしい先見の明でしょう…!

ペレス・センターにて、科学技術発展の歴史と最先端技術について学ぶ

「ペレス・センター(Peres Center for Peace & Innovation)」はテルアビブ南方のジャッファにあります。館内施設「イスラエル・イノベーションセンター」は、子どもも大人も楽しめる科学技術館。パネル展示や体験型アトラクション、ゲームなどがあり、とても良い体験ができたのでご紹介します。

The Israeli Innovation Center
美しい地中海に面する最高のロケーション
イスラエルを象徴する眺め!

私は英語ガイド付きツアーに参加しました。入場には事前予約が必要です。

エントランスでのガイダンス。超モダンな雰囲気!
イスラエルを代表する「イノベーター、クリエーター」たちの声を聴けるパネル。

上記写真に写っているのは、「Waze」というナビゲーションアプリを開発したウリ・レビン氏。イスラエル国内を運転するにはこのアプリは必須中の必須アイテム。渋滞や事故情報をリアルタイムでドライバーがアプリを通して情報共有することができるので、目的地までの到着時間や迂回ルート提案などを含めて、グーグルマップより精度が高いです。(ちなみに日本のユーザーは少なすぎて、マップが完成していないようです。)

スタートアップ企業を設立し、社会にインパクトを与えるような「発明(innovation)」を巻き起こしてきた人たちに共通するマインドは、「問題に直面した時こそ、新たな解決策を求めるチャンス」だと捉えて、決してあきらめないこと。もともとクリエイティブなアイデアを持っているから成功した、というよりは、柔軟な思考力と適応力で、目の前の問題解決に全力を尽くす人々が多い=イスラエルのスタートアップ企業、ベンチャー企業の多さにつながっているのだと感じました。

イスラエル国の発展と技術力開発は、切っても切り離せない!

技術革新の歴史を説明してくれるガイドさん

「なぜ、イスラエルはハイテク産業に力を入れているのか?」という点ですが、それはイスラエル国の建国(1948年)から一貫していて、「この土地でユダヤ人がいかに豊かに暮らし、いかにしてこの国土を守っていけるのか」という明確な目的があるように感じました。

イスラエルが位置するのは、砂漠の荒野。まず、人々が生きていくには農業を発展させることが先決で、砂漠地帯に水を引いたり、海水を淡水化する技術の開発からスタートしたとのことです。今でこそ、国内のあちこちに「キブツ」と呼ばれる農園があり、自国で産出できる農作物も多いイスラエルですが、建国当時は生命の存続をかけた技術開発が推進されたのだろうなと想像します。

徐々に、自国を守る防衛システムの開発が強化されていく。

さて、イスラエルは「自分たちの土地を取り戻して建国された」わけですが、この土地をまたいつか奪われるかもしれないという懸念、そして周辺各国との争いは果てしなく続いており、「自分たちの国を守る防衛システムの開発」が重要になっていきます。

かのペレス氏も、IDFの防衛力強化や核計画に携わり、最先端技術開発に携わっていたわけです。アイアンドームによる迎撃システム開発、GPSを使った監視システムなど、宇宙工学も発展させていく中で、世界最強ともいわれる防衛システムが出来上がっていったのです。

医療分野、ITC分野も含め、国民の生活が豊かになる技術がどんどん開発される

イスラエル発の発明品といえば、USBメモリー、3Dプリンター、VR(バーチャルリアリティー)など、私たちの生活にとって当たり前になっている製品や技術も数多く存在します。

これはイスラエル人の知人から聞いた話ですが。イスラエルは徴兵制度があり、高校を卒業した18才の若者は兵役につく義務があります。その2~3年間でITスキルや最先端技術を学び、兵役が終わったあとに研究開発職についたり、企業したりしているそうです。兵役期間中に何ができるか、何を学ぶかで、その後の人生も大きく変わるそう。個人的印象ですが、IDFは若者のためのエンジニア養成所のような役割も果たしていて、国防のため、ならびに国益のためのイノベーションの宝庫なのでしょう。

https://www.idf.il/en/mini-sites/technology-and-innovation

スタートアップ企業は、国を挙げて支援する!イノベーション大国・イスラエル

https://lab-brains.as-1.co.jp/for-biz/2023/09/51657/
イスラエルはイノベーションの進んだ国、スタートアップ大国として知られるようになってきています。人口900万人強,面積は日本の四国程度でありながらも,毎年500~1,000社程度のスタートアップ企業が生まれ,活動中のスタートアップ企業の数は約8,000社にのぼると言われています。研究開発費の対GDP比も世界1、2位を争っており、GDPの約5.6%を研究開発に費やしています。

これだけ多くの企業が立ち上がっているのは、政府からの支援金が出るため、チャレンジしやすい環境にあるからだと思います。テルアビブ市内のあちこちにシェアオフィスビルがあり、コーヒー片手に出勤していく「ザ・スタートアップ企業社員」をたくさん見かけます。パソコン一台でリモートワークできる人も数多くいる所以です。「とにかくやってみよう」という失敗を恐れない精神と、国の発展に寄与したいという愛国心と。私にはないものをたくさん持っているイスラエル人、かっこいいです。

ところでペレス・センターの地下には、数々のスタートアップ企業のブースがあり、各社が研究している技術がわかりやすく展示されています。フードテック、フィンテック、サイバーセキュリティ、医療etc,とにかくあらゆる分野で、「不可能を可能にする」といっても過言でない技術に驚かされるばかりでした。

牛を使わないで乳製品を開発する企業。どんな味か気になる!

環境破壊の原因ともなる、家畜。牛に餌を与える必要がなくなっても、牛乳(乳たんぱく)は生成できる!という開発をしている企業・Remilkのブース。その隣には、3Dプリンターで作った培養肉が…!動物が死滅しても、人間が生き残る術=最先端技術の開発!なのかもしれません。

3Dプリンターでステーキを作るには4週間かかるとのこと!
牛の細胞から作られた、「3Dプリンターによる培養肉」。おいしいのかな…。
がん細胞にダイレクトで治療薬を注入(?)して細胞を破壊するシステムらしい。どういうこと??
再生医療。失明した人の目が見えるようになるという、バイオプリントされた眼球(?)。ホントに見えるの???

上記二つの写真は、「バイオコンバージェンス」と呼ばれる医療技術開発に取り組む企業の技術紹介です。こうしたバイオテクノロジーの開発も進んでいて、もはや革新的過ぎて理解が追いつかない技術に圧倒されてしまいました。

こうしたテクノロジーを遊び感覚で楽しめる、VRゲーム体験コーナーまであって、本当に面白かったです。

VRゴーグルをつけると、ナビゲーションシステムやがん細胞除去技術、3Dプリンターによる再生医療技術などをバーチャルで楽しめる。

ワクワクするテクノロジーがあふれている、イスラエル。

さて、今回は「イスラエルの最先端技術」に焦点を当て、ハイテク国家へと成長していったイスラエルの歴史的背景についてお届けしました。ペレス・センターは、観光ガイドブックには載っていない名所だと思います。イスラエルに来ることがあれば、ぜひ訪れてみてほしい場所です!あっと驚く技術開発の歴史に触れ、最先端技術を用いた体験を通して、イスラエルがいかにしてスタートアップ企業の土壌を築き上げてきたのか、身をもって知ることができます。

どの企業の研究にも共通しているのが、「こんなこといいな、できたらいいな♪」が現実になった!と感じられるワクワクするテクノロジーばかりであること!夢があります。この国の技術を使えば、ドラ〇もんを創り出すことも可能なのでは?と思うほど。シモンペレス氏をはじめ、先人が残した技術や知恵、思いを引き継いで絶え間なく発展してゆくイスラエル。先行き明るいなぁと感じます。

こんなに長々とイスラエルのテクノロジーについてご紹介したものの、「じゃあ日本はどうなってるの?」という質問にハッキリと答えられない私…。逆説的ではありますが、他国を知ることで、自国のことにもっと目を向けなければ!と思う次第です。

今回の記事はイスラエルのことに全振りしてしまったので、次回は「日本のハイテク産業との比較」に注目してみたいと思います。

PR 「解決したい問題が目の前にあるときこそ、新しいビジネスの可能性がある!」と考えるイスラエルのスタートアップ企業。既存の仕事にしがみつく時代はもう終わりが近いのかも⁈スタートアップ、ベンチャー企業に身を置いてみると、また見えてくる世界が変わるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました