こんにちは、a-box-of-chocolateです。相変わらず、毎日晴天のテルアビブ。前回の駐在はヨーロッパで、九月ともなれば冬の足音が聞こえる環境だったので…やっぱりお天気がいい国にいると、身も心も軽いままでいられる気がします。さて、今日ご紹介するのはテルアビブの南部、いわゆる「旧市街地」ジャッファ。ジャッファ、ヤッファは英語読み(Jaffa)で、ヘブライ語ではYafo、ヤッフォと呼ばれています。バスの行き先表示などは、Tel Aviv-Yafoと書かれています。そんなジャッファでの街ブラレポートです。
旧市街地(オールド・シティ)と呼ばれるエリア=ジャッファ
ジャッファは、旧約聖書にも登場する歴史のある港町。ヘブライ語ではיפו(Yaffo)と表記され、beautiful=יפה(ヤッフェ)が語源だとされています。その名の通り、石垣の建物はとても歴史を感じる作りですし、地中海の眺望も含めて、とても美しい場所です!テルアビブ市内中心部から、電車やバス、自転車で30分程度で行けます。
歴史的背景を簡単に捕捉します。ジャッファは世界最古の港として「クジラの物語」でヨナが出発した港であると考えられています。そして世界中のユダヤ人がイスラエルに戻り始めた 19 世紀後半まで、イスラエル(パレスチナ)の地への主要な入口として機能しました。彼らはジャッファを通じてこの国に入国し、多くの人が最初に定住した場所です。しかし、人口の大幅な増加は過密をもたらし、都市のユダヤ人とアラブ人の住民の間には緊張関係が発生。その結果、ユダヤ人はヤッファの外、最初はネーヴェ・ツェデクなどの地区、そして後にはテルアビブ市の建設を始めました。
1940 年代にはテルアビブはジャッファよりもはるかに大きくなりましたが、当時はアラブ人の人口が依然として市内の大部分を占めていました。1950年にテルアビブと併合され、テルアビブ発展に伴って人口激減、一時は建物の破壊・荒廃が進んでいったものの、市はこのエリアの修復を続けています。 現在のジャッファは、アートギャラリー、レストラン、土産物店の数が増加し、観光名所になっています。
【参照】https://www.touristisrael.com/jaffa-yafo-tel-aviv/360/
テルアビブの高層ビル群&近代的な都市の景色とは対照的なジャッファ!
スカイクレイパーな都会=テルアビブとは対をなすかのように、ジャッファは一目見てわかるほどに「古い石垣の建物」で囲まれています。落ち着いた景観、低層階の建物、カフェ、アンティークショップ、市場など、「地元の人の暮らし」の息遣いが聞こえてくるような、こぢんまりとしたエリアです。いくつか見どころをご紹介します。
ジャッファのシンボル・時計台(Clock Tower)
この石灰岩の塔は 1900 年に建設され、ヤッファ出身のユダヤ人実業家ジョセフ ベイ モヤルによって発案され、アラブ人、アルメニア人、マロン派、ユダヤ人を含むヤッファのすべてのコミュニティからの寄付によって実現しました。オスマン帝国のスルタン、アブドゥル ハミド 2 世の治世の銀聖年を記念して建設されました。また、ヤッファが急速な近代化を遂げていた時代に、町の中心部の発展にも役立ちました。https://en.wikipedia.org/wiki/Jaffa_Clock_Tower
この塔には2つの時計が組み込まれており、オスマン帝国のパレスチナに建てられた7つの時計塔のうちの1つです。その他はサフェット、エーカー、ナザレ、ハイファ、ナブルスにあります。その後、1948 年のアラブ・イスラエル戦争中の町の戦いで亡くなったイスラエル人を追悼する銘板が設置されました。
100年以上前、オスマン帝国時代の名残りを感じられる歴史的建造物でもあります。この時計台の近くにビジターセンターもあります。
小高い丘の上に、歴史のすべてが詰まっている~モスク・教会、ミュージアム、見どころ満載!
時計台広場周辺は、にぎやかなレストランやショップが立ち並んでいて、そこを抜けるといつの間にか丘を登る形で旧市街地の中心部、ケドゥミーム広場へと抜けていきます。とにかく、この丘の上からの景色が絶景です!!!
ご覧のように、中世から何も変わっていないような建物に現代アートが融合された、おしゃれすぎるエリアなのです。このエリア、見どころが多すぎて石畳を散策しただけで、ひとつひとつをまだじっくり見られていません。暑くて断念しがちなので、もう少し涼しくなったらチャレンジしたいです!
私が気になっているのは、スプーン曲げで日本でも一世を風靡した【ユリ・ゲラー】のミュージアム!彼はイスラエル人だったのですね。全然知りませんでした。
丘を抜けると、そこは海が煌めく港!
青い空と青い海を眺めながら、とれたてのシーフードを味わえるレストランがたくさんあります。最高の休日を演出してくれること間違いなしです!!
買い物など「普段使い」できるお店がいっぱい!ジャッファのローカル店舗情報!
さて、上記でご紹介したジャッファは、いわゆる「観光地」としての魅力です。でも、住民になると毎日観光するわけないし、毎日レストランで食事をとるわけありません。そういう「スペシャル」なジャッファもいいのですが、もっと「ローカル感あふれる」ジャッファは、もっと素敵です!ここからは市民にうれしいジャッファのお店紹介をしていきたいと思います。(需要あるのだろうか…)
宝箱?ゴミ箱?アンティーク?ジャンク?それはあなた次第!「ジャッファフリーマーケット」
古着、雑貨、家具、おもちゃ、ハンドメイドの洋服、アクセサリー。とにかくなんでも売っている「フリーマーケット」!
古着やアクセサリーのほかに、観光客向けの土産物屋もたくさんあります。値下げ交渉できるのも、フリマならでは。ぼったくられてる?という怪しい値段を言ってくるお店もありましたが、中東の雑貨を眺めているだけでも十分楽しめます。
この「店舗型」のフリマ以外に、レジャーシートなどを広げて一斉に販売する(売り手も一般市民だと思います)、日本でもおなじみの「フリマ」も近くで開催されています。
こちらのフリマ、洋服山盛り、靴(使用感半端ない)山盛り、工具だけをひたすら床に直並べなどなど、、、何かを購入するにはだいぶハードルが高いな!と思うレベルでしたが、、、本当に地元の人でにぎわっている感じでした。実際のところ、テルアビブ市内の公園などに、物々交換のようなTake Freeの棚があります。私が通っていたウルパンにもありました。事実上の無人・無料フリマが活況なので、リサイクルの一環として使えるものを欲しい人が持っていく、という意識をもっている人が多いのかなと思います。
魚屋、肉屋、八百屋。大型スーパーには無い、新鮮で安価な食材が手に入る!
日本では、もはや絶滅危惧種ではないかと思われる魚屋や肉屋も、ジャッファにはたくさんあります。漁港街という地の利もあるのでしょう、お刺身にできる魚が買えるお店もあります!
まずはこちらの魚屋。サーモン、大トロ、マグロ、ブリが買えます!大きな冷凍庫の中に魚が保管されていて、○○が欲しい、といえばその場で捌いてくれます。冷凍食品の棚にはウナギのかば焼きも入っていました。レジのおばちゃんが英語が堪能なので英語で注文できます。Tiv Taam(ロシアンスーパー)で買うより断然安いし鮮度が高い!安い、と言っても日本と比べたら高いですが、全く美味しくないお寿司を外食する金額で、ここで刺身を手に入れて海鮮丼にした方が圧倒的においしいです。
同じ通り沿いにある、こちらの魚屋さんでもお刺身が買えます!サーモンはKhamis Batshonよりちょっと安かったです。
続いてはお肉屋さん。Abu Hilwehは、いつ行っても混んでいます。
牛タンを丸ごと一つ(冷凍)で購入できます。70NISくらいだったので、ほかの部位より断然お買い得。イスラエル人は牛タンを食べる風習はないのかも?舌のブツブツ感もしっかり残っている、本当に「丸ごと」なので下処理がちょっと大変ですが、、、焼き肉にしてもスープにしても、とても美味しかったです。英語が話せるスタッフがいます。焼き肉(BBQ)用はコレ!とおすすめしてくれたアンガス牛が、本当に美味しかったです!こちらは1kg180NISという高級お肉ですが、コーシャ流の「パサパサお肉」とは違って本当にジューシーで…これよ!肉はコレ!!!という一品です。(笑)
上記の三店舗がある Yefet Stは、いわゆる「商店街」です。駐車場探しにいつも四苦八苦してしまうのですが、地元の人もたくさん訪れている証拠!プロのブッチャー、プロの魚屋の働きっぷりも、とてもかっこいいです。どこも英語が通じるお店ですので、簡単な意思疎通ができれば、こうしたローカルショップでのやりとりに困ることもありません。
テルアビブ市内で、いやイスラエルで一番おいしいフムスといえば!Abu Hassan
トリップアドバイザーの口コミも、上記のGoogleレビューも、とにかく高評価のAbu Hassan(アブ・ハッサン)!Dolfin Stの一号店のほうは、1959年に開業したという歴史あるフムス屋です。こちらに来てからできた友達にも、ここはお勧め、おいしいよ、と教えてもらい、ずっと行ってみたかったお店、つい先日食べに行ってきました!
外食すると、一人当たり50~60NISが一般的なテルアビブにおいて、フムス(平皿盛り)25NIS!ピタパンは無料、というか料金に含まれている感じでした。あと、生玉ねぎ(切りっぱなし)がお通し?で出てきました。Msabbahaはひよこ豆とタヒニ(ごまだれ)で煮込んだフムス、Labnehは水切りヨーグルトから作られたクリームチーズのようなものです。
タヒニ、オリーブオイルたっぷりのフムス。そのお味は…とっても素朴!スーパーで売ってるカップ入りフムスや、フレーバーフムスなどバリエーション豊富に展開されるフムスですが、お豆の味わいをそのまま優しく残した、という感じで、とても食べやかったです。唐辛子のたれ?(画面奥の緑の液体)をスパイスとして垂らすと、ちょっと味変できておいしくいただけました。オリーブオイルたっぷりなのでカロリーが気になるところですが。国民的豆料理・フムスをもってして、「テルアビブでいちばんおいしい」「これまで食べたフムスの中でベスト」と言わしめる。これはたしかに、万人受けする地元で人気の伝統の味!という点に納得です。
注文したものはhalf dish(16NIS)ですが、ボリュームたっぷりでものすごくお腹いっぱいでした。周りのテーブルの人たちは、これに+ファラフェルやチップスも頼んでいました…
観光も食材調達も、サイコーに”ヤッフェ”(beautiful)な場所・ジャッファ。
テルアビブの新進的な雰囲気とは真逆な、オールドシティ・ジャッファ。町全体は古めかしく、渋いテイストですが、活気あふれるフリーマーケット周辺やヤッフォ港周辺などは、その古さを生かした新しい街づくりが進んでいて、とても素敵な場所です。さて今回は観光ガイドブックには載っていない、地元住民にも人気なお店もご紹介しました。これからイスラエルに観光予定の方(ほぼいない?)、イスラエルに転居予定の方(もっといないでしょう)、ご参考になれば幸いです。異国での駐在生活に「日本テイストの食事」という彩を与えてくれるジャッファ、最高です!
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