【イスラエル駐在1年】マイホームタウン・テルアビブ。中東駐妻生活1年目を振り返って。

こんにちは、a-box-of-chocolateです。年を取れば取るほど1年間の間隔が短くなっていく錯覚を起こしますが、イスラエルに来てからもそれは続いていて、あっという間に1駐在年目が終了しました。
自由度の高い駐在生活にすっかり慣れてしまった今、今すぐに日本帰って生活してください、と言われる方がきついかな?というくらい、テルアビブでの暮らしを楽しんでいます。
少なくともこの1年で「一般的なイスラエルのイメージ」が激しく覆り、「思っていたより全然住みやすい環境」だというのが初年度の大きな発見です!
さてそんな私が振り返る、テルアビブ生活1年目。旅行でもない、留学でもない、そして仕事ですらない「駐妻」が海外で何してるの?って気になっている方、ぜひ読んでみてください!
目次
「駐妻」とは「超絶自由な専業主婦」。イスラエルでの新生活は楽しい変化だらけ!
2024年3月まで関東某県に住んでいた私。会社員(保育士)として働き、週末は愛好家のみなさんとテニスを嗜み、年に1〜2回家族旅行を楽しむ。
そんな「ごく普通」の生活をしていた私がイスラエルに来て、前回の駐在以来の専業主婦生活に。
住環境も、社会的地位も、何もかもが変わった自分の生活ですが、結論から述べると【とても良い方に変化した】1年を過ごせたな、という心境です!
イスラエル駐在生活で経験した”変化”とは??
①生活の中心言語が英語になったこと
家の中では日本語ではもちろん日本語。ヤフーニュース見たり、U-NEXTでドラマ見たり、エンタメ系を楽しむのも日本語。ですが!家から一歩外に出たら、全部英語です。イスラエル人は英語喋れる人が非常に多いので、私のへっぽこヘブライ語よりも、英語で会話する方が合理的です。(笑)
ちなみに私は英語四技能の中ではスピーキングが一番苦手、という典型的な日本人なので(英検1級に合格(総合判定はC1取得)しましたが、SpeakingはB2判定でした…)自分で喋っててもミス多いな~、言いたいこと言えてないな~と思う瞬間が多々あります。
これだけ毎日英語で話しているのに、なんで上達しないんだろう?と思うと悲しい側面もありますが、、、英語=第二言語(以下)の国なので、そんなのだ~れも気にしてません!!
言語能力に関しては、自己卑下する必要もないし、堂々と開き直っている方が人生お得なことが多いということも学びました。(笑)
②日本人の友達がほぼいなくなったこと
ちょっと語弊がある書き方ですが、実際問題、駐在日本人がほぼいません。お店や街中で、ばったり日本人に出くわすことともありません。イスラエル人にとっても日本人はレアなので、大概フィリピン人、タイ人、または中国人に間違われることも多いです。
そういうわけで、夫の職場関連の方や子どもの学校の数少ない日本人家庭を除いて、日本人との交流がほぼないです(良くも悪くも)。在イスラエル日本人交流会という交流会もあるようなので、在留邦人がいないわけでもない…はずです。
そんな私がふだん出かけたり遊んだりしている友達は、International Women’s Clubで出会った日本人以外の駐在員ばかり。この年齢になって、ママ友でもなければ職場の同僚でもない「友達」ができる日が来るとは…(感動)!
「IWC」はいろんな国で設立されている団体で、検索してみたら日本国内にもあるようです。
- International Women’s Club JAPAN …2011年で更新が止まっているので、もう活動していない可能性も。
- Hokkaido University International Women’s Club (IWC) … 北大に設立されているIWC!
- Okinawa International Women’s Club …今、私がイスラエルで所属しているクラブの雰囲気もこんな感じです!
- Hiroshima International Women’s Club
- Yokohama International Women’s Club
日本は国土面積が大きいせいか、都道府県単位でクラブが設立されているところもあります。国内にいたときは全く知りませんでした…。私はこういうクラブの「外国人メンバー」側の人間ですが、駐在員同士、そして現地の人とも交流できる素晴らしい会だと思っています。国際交流に興味がある方、ぜひ調べてみてください!
③異国の言葉(ヘブライ語)がちょっとわかるようになったこと
プチ自慢ですが、駐妻にしては、ものすごーーーく現地語学習を頑張っている方なんですよ、私!IWCで出会った他国の駐在妻のお友達で、ヘブライ語がしっかりわかるという人いませんから!!
たとえば、こちらの道路交通標識。ヘブライ語の文字は模様にしか見えなかった去年の4月ですが。

ヘブライ語に強引にカタカナルビをつけると、↑のようになります。カタカナ部分も、右から左に読んでください。これで読み方があってる確証はないのですが(私の脳内音声を再生しただけです)、ヘブライ語のアルファベットがわかる→発音が推測できる→いくつかの単語は既に知っている、という知識総動員すると、

☆ハニヤ(”ハ”は喉音)=駐車場、ムトロット…文脈的に許可とかそういう意味??「駐車許可、パーミッション」のことかな?
☆レ・マハラト= レはtoの意味、 マハラトはthe next dayのことなので、「次の日に」(19時から翌朝5時までのこと?)
☆“バヴ”(数字の1みたいな文字)は、金曜日の略字。エレブ=夕方。ハグ=祝日。
つまり「金曜日と祝日の夕方」
☆シャバット=土曜日。イェツィア= exit, go out。つまり、「土曜・祝日は翌日(翌朝5時までに)出庫」
このように、正確にわからなくても、文字を見て意味を推測することができるようになりました。
グーグルレンズに頼るのが早くて正確なのはもっともなのですが、自分でわかるようになるって、思った以上に感動します。自分で自分を褒めてあげたい!
④物価がバグっているけれど、躊躇せずに買い物できるようになったこと
事あるごとにテルアビブの異常な物価高に触れていますが、もはや値段を気にしていたら何も買えないので、必要なもの、食べたいものは躊躇せずにとりあえず買うことにしています。最初はなんでも円換算してしまって、「こんな値段するわけない」と思っていましたが。ここは異世界転生したと思うしかないですね。
パスオーバー、少しくらい豪華なご飯食べたいな!と思って、お刺身を買い込みました。ハマチは1kg350シェケル(14,000円)、マグロは300シェケル(12,000円)、サーモンは140シェケル(5,600円)。
だいたい300gずつ購入したところ、ハマチ111シェケル(4500円)、マグロ88シェケル(3500円)、サーモン45シェケル(1800円)。お刺身だけで一万円くらい買ってしまいました。
海鮮丼にして美味しく食べましたが、、値段おかしいですよ、ははは。乾いた笑いが出てしまいます。ちなみに養殖ハマチは1kg1,852円が卸価格らしいので、イスラエルで売られているハマチは約10倍のお値段ですね、はっはっは!
”外食して息抜き”というのを気軽に楽しめないのも悲しいです。
⑤博物館、美術館、国立公園などに行きまくる生活になったこと
この一年間で訪れた観光地、すでに数えきれません。あちこちの公園や美術館めぐりに勤しむのが日課です。ひとりでフラッと行くことも多いですが、もっぱら駐在仲間の友達とあちこち巡っています。
文化的素養を深める、景色を楽しむ、公園やビーチでリラックスなど、いずれの目的でも公園や美術館がとても身近なイスラエル。言い方あれですが、すごく狭い国なのに、観光資源は豊富です!
このブログにはまだ一度も登場していないエルサレムにも、何度か訪れていますよ。
駐妻生活の醍醐味は、ズバリこれだと思うのです!
私は宗教や歴史に疎すぎるし、絵心もなく、美術作品の素晴らしさを語れるほどの素養もない。だからこそ、「名画」と言われるものを鑑賞したり、知らなかったアーティストや偉人のことを知ったり、美しい公園で美しい花や海を見たりすることで、生活が潤っているなと心から感じることができます。
⑥ライター業(もどきなこと)を続けていること
子どもの頃、私は小説を読むのが好きすぎて、自分も小説家や執筆家になりたいと思っていました。(小学校の卒業文集にも書いた記憶があります!)
その頃のぼんやりとした夢が叶ったというか、自己実現したというか、こうしてブログを続けていること、そしてOutlier(ある意味こちらもライター業)の業務を始めてみたことを含めて、2023年の自分では想像していなかった方向に進んでいる、という実感があります。
その昔、通信講座の添削指導員の仕事もしていたのですが、やっぱり私、地味~に静~かに、一人で書いたり読んだりする時間が好きなんだなと思います。
⑦まとめ。キラキラ駐妻とは言い難い。それでも、自分が楽しければそれでいい!
「一般的な日本での暮らし」では、仕事や家事・育児でヘトヘトになって、わざわざ美術館に足を運んだり、親しくなった人たちと食事に出かけたりする余裕がないまま日々が過ぎ去っていく。そんな日常が当たり前すぎて、仕事を辞めて主婦として在宅している時間が長くなった「駐在生活」、始まったばかりの頃はとても退屈でヒマだなと感じていました。
しかし、一年経った今、私はすごく忙しいです(笑)!まだまだto visit listに載っている場所はたくさんあるし、友人たちとお喋りしながら食事やハイキングを楽しむ時間を大切にしたいし、ユダヤ教を含めた宗教的・文化的背景を(教養として)学ぶ機会も増やしたい。
SOHOのようなオシャレレストランも多いし、ブランドショップ、美容やコスメ関連など、「外見からしてキラキラ駐妻」を目指せるスポットも数多くあるテルアビブ。残念ながら(?)そこは私の守備範囲外です。eye shoppingはしますよ!
「ていねいな暮らし」とか、「着回し抜群のオシャレコーデ」とか、雑誌で見かけるような「キラキラ駐妻」とはかけ離れた私の生活ですが、「今、楽しく生きていればそれが正解!」というのが、私の駐在生活の答えでもあります。
あれもこれもやってみたい!ということが多くて、退屈だと思うヒマすらない生活が送れるようになったことが、大いなる進歩であり変化である。そんなイスラエル生活です。
ここがヘンだよイスラエル人(注意:100%独断と偏見です)
さて、ここから先は「思ってたのと違う!」イスラエルでのカルチャーショック・4選をお送りします。あくまで、一年現地で暮らしてみた私個人の感想です。
①親切すぎて、他人との距離感バグってる説
ヤフーニュースで「イスラエル」を含むヘッダーをクリックすると、戦争か政治の話100%なので、「イスラエル=戦争大好き国家」のイメージを払しょくできないのは仕方がないのかな、という側面もあります。
が!それはあくまで「国家」のイメージであって、「国民」はそうでもありません!!むしろ真逆で、日本人からすると、他人との距離が異様に近い。フレンドリーという意味です。たとえば信号待ちしている交差点で「マニシュマー?」と挨拶されたり、私の見た目100%外国人なのに、ヘブライ語で道聞かれたり。
はたまた店員さんが日本への愛を熱く語り始めたり、ミュージアムで知らない人が「ヘブライ語わかる?案内しようか?」と声をかけてくれたり。
仮に日本国内で、日本人にこういう態度で気軽に声をかけたら、地域の「不審者メール」を流されてしまうよな~と思ってしまうほど、とにかく親切な人が多いです。
そしてもう一つ、ヘブライ語の特徴でもあるのですが、シンプルでストレートな表現を好む人が多いので(敬語はありません)、年齢や立場に関係なく、同じ言い回しができます。他者との隔たりがないのは、言語の特性も大きいのだろうなと思います。
極論、犬に話しかけるのも、一国の総理大臣に話しかけるのも、同じような表現でOKなのでしょう…。
②知り合いの知り合いは友人?!昭和感あふれるご近所・親戚付き合い
これは宗教的背景が深く関係していると思うのですが、「自分たちの国や土地がない、世界各国に離散した(ディアスポラ)」ユダヤ人。なので、お互いを助け合ったり思いやったりする気持ちがすごく強いです。
ハマスにとらわれている人質解放運動然り、国家のためというよりは、同族・同志、そして誰かの大切な家族を守るために行動を起こす人が非常に多くて、その価値観は昭和の三世代同居時代を見ているような感覚です。
さらに、週末(シャバット)になると、一家郎党集まって食事をしたり、今回のパスオーバーもそうですが、祝日も10~20人の親戚総出で食卓を囲み、伝統行事を遂行します。
核家族が当たり前の私には、正直なところtoo muchに感じるほど、家族を思いやり、一緒に行動する人が多いです。たとえば、父親に一日3~4回電話するとか、母親のスマホ番号は暗唱しているとか。私は親不孝者ですか?と反省してしまうほど。
そして、国土が狭いのもあって、〇〇さんが~、という話題を出すと、「あ、知ってる~△△の友人」というように、簡単に人脈がつながるのもイスラエルならでは。
③アグレッシブすぎる運転技術。高速道路はマリカー状態!
自動車の運転は、イスラエルに来てから必須事項となり、私もどうにかあちこち運転していけるようになりました。
が!とにかく事故多発!!!!
なぜならスピード出し過ぎなドライバーが多すぎるのです…。
徴兵期間に戦車や航空機、緊急車両の運転経験ありの人がいるせいなのか、、「えーっと、パトカーですか?」というほど飛ばしまくり、ウインカーも出さずに次々と追い越していく車もしょっちゅう見かけます。
煽り運転する代わりに、車間距離を無視して強引に車線変更→少しでも隙間があれば、前へ前へ!と突き進むイスラエル人ドライバー。
これにプラスして、せっかちで短気なイスラエル人の気質も加われば、もはや高速道路はバトルフィールド、リアルマリオカートです。その辺の一般道路でも、無理な割込みや急な車線変更による事故が後を絶たず、怒り狂ったドライバー同士が、道の真ん中に停車して罵りあっている光景も目にします。
テルアビブはとにかく渋滞がひどいのですが、正直、運転マナーがわるいから渋滞が悪化しているのではないかとひそかに思っています。
〇車線変更しようとする車がいると(ウィンカー出していても!)基本、スピードを上げて詰めてくる。(これ、本当に危ないし止めてほしい…)
〇分岐などでは暗黙の了解での交互合流ができないので(とにかく前に詰める)、永遠に渋滞が解消しない。
〇大きな交差点でも信号ギリギリで突入するため、バスや大型トラックが交差点の中央を封鎖→ほかの方向から入ってくる車は動けなくなる。
〇ちょっとでも進めなくなると、すぐにクラクションを鳴らす。鳴らしても仕方ない!という場面でも鳴らしまくり、うるさい。
私も一回、車線変更できずに道をふさいでいたら、後続の車の運転手から窓を開けて罵られました…。「この状態じゃ無理でしょうよ!」と日本語で言い返してみましたが。こんなとき、ヘブライ語がわからないガイジンだと、いいこともありますよ。(これくらいのマインドで生きていかないと、テルアビブでの運転はできません!)
渋滞・渋滞でイライラするのはわかりますが、、スピード違反&頻発する交通事故のせいで、さらなる渋滞が巻き起こるエンドレス!壊れた車は路肩に乗り捨てられている有り様なので、絶対に交通事故にだけは巻き込まれたくないです!!
④蔓延する「日本は最高の国」説
これは一番の驚きですが、とにかく「日本に行ってみたい」人が多いのです!もっといえば、「日本に行ったことある」人もかなり多い!知らない人とのちょっとの立ち話でも聞きますし、IWCのメンバーであるイスラエル人も、多くの人が日本=最高の旅行先、みんな行きたいと思っている国ナンバーワン、だと認識してくれています。
イスラエル人がお世辞を言うとは思えないので、これは本心だと信じています(笑)。日本はアメージング、礼儀正しい人が多くてイスラエル人とは正反対、ハハハ!!と笑い飛ばす人も(笑)。
自分の母国に対して、「いい国だよね!」と言ってもらえることは本当にありがたいことでもあります。そうした「イスラエル人が抱く日本人のイメージ」に即した行動をしたいものです。
ちなみにディゼンゴフショッピングセンターには、Anime Shopなるものがあります。
日本人からすると、イスラエルは(申し訳ないけれど)メジャーな海外旅行先ではないし、中東料理も馴染みがないし、そもそもどこにある国かも知らない人も多いかなと思うのです。それとは逆に、イスラエル人が日本に抱くイメージはかなり好感度抜群!それを知れただけでも、駐在員としては非常に嬉しいですし、滞在先の国に対する親しみも増します♪
二年目の駐在生活でも、まだまだ新たな発見がある予感でいっぱいのイスラエル生活。今後もブログでご紹介していけたらと思います。