【イスラエル駐在1年】2025年ペサハ(Passover)が終了。春休み、無料で楽しめた美術館・博物館をご紹介♪【Tel Aviv 編】

こんにちは、a-box-of-chocolateです。長いと思っていたペサハ(パスオーバー、過ぎ越しの祭り)期間も気づけばあっという間に終了しました。ペサハは12~19(土)、イースターは20(日)と祝日が続いたイスラエル。ユダ教もキリスト教も信者ではない私にとっては、「いかにしてこの長い休み」(子どもの学校も春休み)をお得に過ごすか?それが主題でした。
多くの人が海外旅行に出ていくこのホリデーシーズン、イスラエルにとどまった私は、
①Outlierのタスクがたくさんあるタイミングだったので、集中的に稼ぐ!
②Bank Hapoalimがスポンサーになって無料開放している美術館・博物館を巡る!
こうして二週間を楽しく有意義に過ごせました。
目次
テルアビブ市内の観光スポット♪一度は訪れたい有名美術館・博物館3選!
前回の投稿でも述べた通り、私は教養のある大人を目指すべく、駐在生活の時間的アドバンテージを最大に活用する=美術館・博物館をなるべく多く訪れるようにしています。
ただ行くだけじゃなくて、解説や音声ガイドをきちんと聞いて、その展示から「学ぶ」ことを心がけているのですが、たいがいそれも全部英語ですし、巨大な博物館だと見て理解するのに疲れてしまうのですが。
それでも、その国の歴史や宗教的背景を学ぶのに一番手っ取り早いのが美術館・博物館訪問。今日は、テルアビブ市内のおすすめスポットをご紹介します!
①ANU – Museum of the Jewish People – ディアスポラ博物館
テルアビブ大学の敷地内にある、”アヌ”と呼ばれる博物館です。”Anu” =”We” “Us”の意味。ヘブライ語の”アナハヌ”=「私たち」の意味なのですが、そのフォーマル版らしいです。
「私たちとは」みたいなテーマ、すなわち「ユダヤ人」についての博物館です。
https://english.tau.ac.il/campus/beit_hatsfutsot
今回の連休、こちらも無料開放していたのですが、私は時間の都合で泣く泣くスキップ。ふだんは54シェケルかかるので(約2200円)、無料はありがたいですね!
「ユダヤ人とはなんたるか?」「ユダヤ教徒は何なのか?」を学べる博物館
私が訪れたのは去年の11月なので少し古い写真ですが、3階建ての大きな博物館、すべてのテーマが「ユダヤ教徒」です…!
近現代を生きる人たちの、「ユダヤ教徒(Jewish)であること」というインタビューパネルに始まります。
そして、ユダヤ人で成功している人たち(有名人やプロデューサー)の紹介が延々と続きます。
The Kissのベーシスト、ジーン・シモンズも、イスラエル生まれのユダヤ人でした。知らなかったです。
アメリカの人気連ドラ「フレンズ」のプロデューサーやクリエーターも、ユダヤ人。
芸能界や音楽業界(演奏家、ミュージシャン、プロデューサーなど)で活躍するユダヤ人たちをフィーチャーして紹介しているゾーンが、ワンフロア。
サイモン&ガーファンクル、ボブ・ディラン、ビリー・ジョエル、エイミー・ワインハウス、ブルーノ・マーズ、、、老若男女問わずユダヤ人アーティストが多くてビックリです。(気にしたこともなかったです…)
ざっくりと、3階(近現代)→2階(文化や歴史)→1階(聖書)のようにフロア分けされているのですが、説明が詳細すぎる&私が無知すぎるせいで、すべてを一日で回って理解するには無理がある情報量です!
ヘブライ語の歴史展示(2F)
日系ユダヤ人の情報も!
アリヤ―(イスラエル帰還)の話辺りから、どんどん歴史的背景がわからなくなり、離脱…。
オットーマン帝国時代とは???というレベルの私には、かなり難解な歴史と宗教の説明もあります。この辺で脳みそパンク気味。残りは流し見してしまったので、来年のパスオーバーの時期に無料で行ってみたいと思います(先延ばししすぎ?)。
戦争に関する特別展示(絵画)もあり、そこは非常にずしんと来るものがありました。
博物館の名前が「アヌ(私たち)」というだけあって、展示は全て「ユダヤ”人”」にまつわる話で一貫しています。歴史的解釈の視点は全てユダヤ人側から、というのは言うまでもないので、そこは理解したうえで鑑賞すると、「あぁなるほど、ユダヤ人にとって世界はこのように回っているのだな」という新鮮さも味わえます。
ちなみに、日本語訳されている「ディアスポラ」とは、「離散」のことです。ユダヤ人は、帝国の争いetcでイスラエルの土地を追われて世界各地に「散らばった」人種なのですが、再度この地に「集結・帰還した」(アリヤ―)というストーリーがあります。
ユダヤ人のユの字も知らない私にとっては、学びの深い博物館のひとつです!
現地の学生団体ツアー客もたくさんいました。校外学習で訪れるスポットとしても人気なようです。
② Tel Aviv Museum of Art – テルアビブ美術館
https://www.tamuseum.org.il/en
テルアビブ市内の中心地にある美術館です。
「人質広場」の横にあるので、美術館の存在が若干薄まってしまっているのですが…。駐在生活を始めて一年以上たって、ようやく訪れました!
こちらも普段は52シェケルの入館料がかかるので、無料はありがたかったです。
展示は「近現代アート作品」中心。
なかなかインパクトがある現代アート作品が多め。
若手写真家・Ronen Zienという人の映像作品も展示されていました。映像、写真、そして合成機能を使って、自分を過去に投影(あたかもその時代を散策しているような映像に仕立てる)。記憶の中を実際に生きているような感覚に陥る不思議な作品でした。
https://www.tamuseum.org.il/en/exhibition/ronen-zien-walking
光の演出を使った「Cascade(滝)」という展示も幻想的でした。
https://www.tamuseum.org.il/en/exhibition/muhammad-abo-salme-cascade
モダンアート中心なので、若手や新進気鋭のアーティストの作品が多かったので、私の感覚では理解しがたいコンセプトだったなぁという印象です。
コンテンポラリーダンスと同じく、メッセージ性は強いのだけれど、受け取る側の私の感受性の問題?なのか、「はて??」となってしまう…。
現代アートはどうして難しいのか?という問いに、「答えを与えるのではなく、問いを引き出そうとしているから」という記事を見ました。そのとおりで、その作品に対してわかりやすい答え(宗教や文化、美しさ)ではなく、「これは何を訴えているのだろうか」と自分で思考しなくてはいけない居心地の悪さやもどかしさを感じるのです。明確な答えがないこともまた、芸術でしょうか。
③ Eretz Israel Museum – エレツ・イスラエル博物館
https://www.eretzmuseum.org.il/en
考古学博物館というグーグルの紹介区分にもあるように、ここは「イスラエル」という国から出土したもの、文化、歴史を紹介している博物館です。「エレツ」とはヘブライ語で「国」のこと。
「アヌ」が人なら、「エレツ」は国土について、とでも言いましょうか、ガラスやセラミックなどの陶器や貨幣、昔使われいた道具などが展示されています。
こちらも、写真は11月に訪れたときのものなので少し古めです。
入口はごく普通の博物館の出で立ちなのですが、中に入ってみると信じられないくらい広いです!
ミュージアムなのですがオープンスペース(屋外)も多くて、敷地内を散歩するだけでもかなりの距離です。
テルアビブの市街地(ダウンタウン)を一望できます。
11月に行ったときは「Maskit」という特別展(ガイド付き)のために入場したので、ほかの展示はサラッと眺めただけです。
Maskitはイスラエルを代表するファッションデザイナー。高級ブランド服を取り扱っているお店です。イスラエルに来るまで、というかこの展示を見るまで知りませんでした。
こうした地元で有名なデザイナーなどを知る機会もなかなかないので、常設展示のみならず、特別展を回ってみるもの面白いです!
【番外編】マニアック?テルアビブ市内の隠れ名スポット!
さて、ここからは、ちょっとマイナーな場所ですが最近注目されているスポットをご紹介します。
☆Bialik House
https://maps.app.goo.gl/mMd1LAkLDduxwhSb7
ハイム・ナフマン・ビアリク (Hayim Nahman Bialik)という詩人の家。
https://shimur.org/sites/bialik-house-tel-aviv/?lang=en
あまりいい写真ではないのですが、、ビアリク・ストリートはリノベーションが進んでいて、とても映えスポットとなっています。その一角にあるこちらのレトロな家は、景観とマッチしてとてもオシャレ!
同じ並びになる、Beit Ha’Ir Museum(旧市庁舎)も、すごく存在感があります。
この界隈はアートの街で、Rubin Museumというルーマニア系ユダヤ人画家の美術館もあります。ホリデー期間はここも無料開放していたので、立ち寄りました!
Rubinが描いたパスオーバー。ニューヨーク系のユダヤ人コミュニティの話も含めて、イスラエルに「帰還」したシオニスト&アーティストの社交界が垣間見れます。
Bialik Streetは、私が登録している「テルアビブ・メールマガジン」で推奨されていた場所です。こちらのメールマガジン、地元民の行きつけのカフェやオープンしたばかりのレストラン、リニューアルしたミュージアムの情報などが送られてきます!
在住者のみなさんで流行の最先端を知りたい方は、ぜひ登録してみてください。月刊メールマガジンです。
https://telavivglobal.activetrail.biz/newsletter
名実ともに、そして規模も「メジャー」な博物館・美術館もイスラエルの基礎・基本を知るのには大変重宝する場所ですが、こうした「ローカルスポット」を巡るのも、在住者ならではの楽しみ方です♪
イスラエルは国土面積で言えばかなり小さな国ですが、歴史や芸術の観点から理解し、博物館や美術館、そして遺跡を巡っていたら、2~3年あっても回り切れない気がします。
テルアビブ市内ですら、「こんな建物(お店)知らなかった!」というものが次から次へと出てくるのです。変化・成長のスピードが著しい街なので、飽きることなくあちこち散歩に出かけて楽しめる毎日に感謝したいと思います。