【イスラエル駐在1年】英語力を使った外貨稼ぎ・第二弾!Clickworker (UHRS)の仕事とは?

こんにちは、a-box-of-chocolateです。戦争を継続するにはお金がかかるせいで、イスラエルの物価高は文字通り天井知らず。3月の光熱費の請求が、2月分よりも1.5倍になっていて驚きました…。エアコン使ってないし、知らないうちに基本使用料が上がっていたとしか思えない事態に。
食品や日用品は、あいかわらず日本の二倍~三倍。牛乳は公定価格なので全国統一で、一本300円(7.2シェケル)、卵1ダースは480~600円(12~15シェケル)。無農薬餌などの良質な卵は1000円くらい(25シェケル)します。ガソリンは牛乳と同じくらいで、リッター300円前後です。
そんな国に暮らしていると、感覚は麻痺します。日本だって物価高!といえども、「まだまだ激安の国」に分類されるのです。
チップなしでも心からのおもてなしをしてくれる、店員や従業員の態度も丁寧で熱心。そんな当たり前の接客を当たり前だと思ってはいけませんよ、日本の皆さん(涙)!
そんな物価高のせいで、テルアビブでは月1外食するかしないか。専業主婦なので自炊するのは当然かな、という義務感もありますが、本来の私は、節約するよりも稼ぎたいタイプ…!
せめてブログ運営経費、友達との交際費程度は、自分でカバーできるだけの「プチお小遣い」を稼ぎたい、と常々思っています。
過去には、「マクロミル」のアンケートなどでポチポチとポイント稼ぎしていたこともありますが、日本のポイント稼いでも今は使い道がありません。そういうわけで、今回は海外在住者でも取り組める、「外貨稼ぎ」ができるクラウドソーシングサイトをご紹介していきたいと思います!
「英語」「外貨」「副業」「フルリモート」などのお仕事を探している方の参考になれば幸いです★
目次
アンケート調査、データ仕分け!パソコンでもスマホでも取り組めるClickworker(クリックワーカー)
今回ご紹介するのは、Clickworker(クリックワーカー)。以前紹介したOutlierと同様に、こちらもAIトレーニング系のプラットフォームです。
2005年にドイツで設立された会社で、サイトにアクセスしていただければわかるとおり、インターフェースは基本的には英語がドイツ語、またはフランス語です。
仕事内容について
Outlierより気軽に取り組める、専門的な知識がなくても参加できるプロジェクトがたくさんあります。
たとえばAI判定の顔認証技術の向上のために顔写真を提出したり、子どもの写真を撮って送ったりする「写真判定系」のミニタスクから、ゲームアプリの評価など。
自分の個人情報の取り扱いについての同意が毎回確認されるので(素顔の写真やパスポートを送って、という案件も多い)、きちんとterms and conditionを読んでから参加の可否を判断することをお奨めします。
その他にも、外部企業が依頼する個人的なアンケート調査やリサーチに参加できます。
報酬について
クリックワーカーの特徴は、ユーロベースで支払われること。アンケート調査は1つ0.3ユーロ程度なので、マクロミルやVポイントなどのポチポチサイトと、あまり変わらない報酬かもしれません。
とはいえ、今はユーロ高(160〜165円)!0.3€=50円程度の報酬換算となります。
たまに3~4ユーロの調査もあります。
会員登録について
このサイト、私は登録にかなり苦労しました。というのも、私は海外在住の日本人、ということをなかなか証明できず、「なりすましアカウント」と間違われて(たぶんVPN経由で何度かアクセスを試みてしまったせい)アカウント一時停止を食らいました…。
登録の初期段階でも、「母国語=日本語」を選び、ほかに話す言葉として「英語」を選んだら、英語ネイティブという取り扱いになってしまい。
「言語認証テスト(日本語)」は受けたのですが、英語の方はテストもなしに、ネイティブスピーカーということになっています。サポートサービスにも連絡して変更をお願いしたあとでもステータスがこのままなので、もはや放置!(笑)
幸いサービスセンターはかなり対応がよく、こまめにメールに応じてもらました。しかしアカウント一時停止の際には、住所を証明するために自分の名前が宛先になっている郵便物の写真を添付して、と言われてあたふた。(すべて名義は夫なので、信じられないかもしれませんが、私宛の郵便物なんてないのです…。)
駐在員、無職、現住所の証明もできない、郵便物もない。イスラエルでは外国人だとテルアビブ市民としての住民登録(IDがあれば簡単にオンラインでできる)もできず、銀行のカードも家族カード。
自分の住所・存在を証明する書類がゼロ、という悲しい現実を突きつけられて、終わった・・・と思いましたが、銀行の明細書(ペーパーレスなのでダウンロード版)でどうにか認めてもらえました。
日本で登録する分にはこんなことは起こらないと思いますが、海外ワーカーの方は注意してください。
登録が完了すると、ダッシュボード画面の表示は日本語になるのですが、依頼されるアンケート調査はすべてヘブライ語の案件ばかり。どうやら、居住国(ローカル)ベースの調査が多いようです。
こちらは翻訳も使用OKなのでいくつかこなしましたが、次の選挙に行くか?等、イスラエル人として答えるべき案件ばかりですし、アンケートの文章も長くて億劫なのであまりこなしていません。
UHRSとは?マイクロソフトが運営する、データ仕分けのクラウドソーシングサイトについて
というわけで、clickworkerに出てくる案件自体は正直なところあまりこなしていないのですが、そのclickworkerを通して登録できるのが、こちらのUHRS。
https://prod.uhrs.playmsn.com/uhrs
Clickworkerのアカウントから連携して登録できるクラウドソーシングサイトで、マイクロソフトアカウントにログインして、Edgeブラウザを使ったデータ調査をします。
データラベリングとは?
UHRS(Universal Human Relevance System)は、マイクロソフトが運営するプラットフォームで、データラベリングや評価を行うためのシステムです。主に、機械学習や人工知能のモデルをトレーニングするために必要なデータのラベリングを行います。
データラベリングの目的
- 機械学習のトレーニング: ラベル付けされたデータは、AIモデルがパターンを学習し、予測や分類を行うための基盤となります。
- 精度向上: 正確なラベル付けは、モデルの精度を向上させるために不可欠です。誤ったラベルは、モデルのパフォーマンスを低下させる可能性があります。
- 多様なデータの処理: テキスト、画像、音声など、さまざまな形式のデータに対してラベルを付けることで、AIが多様な情報を理解できるようになります。
- フィードバックの提供: ラベリング作業を通じて、AIの出力に対するフィードバックを提供し、モデルの改善に役立てることができます。
UHRSは、こうしたデータラベリングを効率的に行うためのプラットフォームとして機能し、さまざまなタスクを人間のワーカーに委託しています。
具体例を挙げると、「コーヒーショップ 近所」とネットで検索するとマップや店舗情報一覧が正しく表示されるか?など、プロンプトとレスポンスが正しく一致しているか?というのを一つ一つチェックしていく、とっても地味~~~~~な作業です。
今やとても身近になった、ChatGPT、Googleの「ジェミニ」、そしてエッジブラウザで使える「CoPilot」。こうしたAIをより精巧なものに仕上げていくためには、人間の頭脳を使って育てる必要があるのです。
それで、いくらくらい稼げるのか?
UHRSは時給制ではなく、歩合制。いくつタスクをこなしたかによって報酬が変わります。
Hit Appと呼ばれるタスクユニットごとに報酬も作業内容も異なりますが、一つ0.02〜0.04ドルという雀の涙程度の作業もあります。
Outlierに比べるとかなり低賃金です。ちなみにタスクにかける時間は、案件にもよりますが1つ数分以内です。
私がこまめに作業しているのが、日本語版サイトのチェック。トップページのインターフェース、ボタン機能、AIアンサーの動作確認など、けっこう地味なタスクを繰り返していくのですが、スマホアプリでも作業可能なタスクもあるので、隙間時間にコツコツ作業できます。
報酬は0.4~0.5ドルとこちらも低めですが、Outlierに比べたら常にタスクが入荷されているので、塵も積もれば山となる!状態です。
ちまちまとラベリング作業をやっていたら、3月は一ヶ月で約300ドル稼げていました!
しかし!
UHRSも、Outlier同様に賃金が発生するタスクに取り組む前にはインストラクション(英語)を読んで理解し、トレーニングテストを受けなければなりません。正答率が低いと不合格になり、承認されるまでひたすらトレーニングテスト(無給)で練習を続けることになります。
作業時間を掛けすぎてもダメで、逆に短すぎてもダメ、というルールもあります。
グラフにある33時間は無給トレーニング期間も含んでいるため、収入÷時間で計算すると時給9~10ドル程度です。有料タスクにかけた時間ベースで計算すると、12~13ドル稼げている日もありますが、こちらもそんなに甘くはないですね。
そしてジャッジするウェブサイト(エッジページ)自体は日本語表記ですが、評価基準は英語(と日本語交じり)で表示され、問題点は英語で記入しなければならないので、outlier同様に、英語力がないと仕事になりません。
UHRSはコピペ入力も認められていますが、作業効率をあげていくためには、いちいち翻訳していたらきりがないです。
そして支払いは、確定するまでに1~2か月のタイムラグがあります。しかも、Clickworkerのスタッフとして作業をしているので、UHRSのプラットフォームで稼いだドル払いの報酬は一週間単位でユーロに換算されて、Clickworkerの報酬ページに表示されます。
この流れがまどろっこしく、$→€レートが何をベースにしているのかよくわからないのですが…。
最終的に報酬はペイパルで振り込んでもらえるはず…と気長に待っていたら、忘れた頃にやってきました、振込通知♪
【悲報】Paypalが勝手に通貨変更するのがデフォルトなPaypal in イスラエル (涙)
私はpaypalのアカウントをイスラエルに来てから新規開設しました。以前持っていたものはヨーロッパのスマホ番号を登録していて(とっくの昔に解約済み)、二段階認証を突破できず使えなくなりました…。
そういうわけで新規アカウントをイスラエルのスマホ番号、国情報で登録。銀行カードも現地のカードを紐づけてあります。なぜならclickworkerは、paypalアカウントの個人認証ができないと振込先設定できません!!
なりすましワーカーがそんなに多いのですかね、、、とにかく「本人認証」のセキュリティがしっかりしているclickworkerです。
と、ここまではよいのですが。私のペイパルの残高、振り込まれるたびに、ドルやユーロで払われているはずなのにシェケル(イスラエルの通貨)が増えていて…なぜ?と思ったら。
なんと…ほかの国の通貨を追加することができませんでした。日本で開設したアカウントは通貨の追加ができるようなので、ドルならドルのまま受け取れるはずです。
ペイパルが設定したレートで勝手に換算されている(&おそらく手数料取られている)ので、実際に稼いだ額よりもやや少ないシェケル手取りになっております(涙)。
特にclickworkerに至っては、ドル→ユーロ→シェケルのコンバートを経ているので、純粋に稼いだ額から徐々に遠のいていっているような気がしないでもないです。
このレートについて、細かいことを気にしていたらキリがありません。そういうものだと割り切っていくことも大切です!
こなしたタスクは、どのように評価されているのか?
UHRSは短時間で出来る単純作業とはいえ、タスクに取り組んでいる最中も常に質をジャッジされていて、spamを摘発できている正答率が表示されます。
spam accuracyという正答率がレポートページに表示されるのですが、私が取り組んだ日本語アプリチェックのHitは、何を持ってこれを判別しているのか、タスクの正解・不正解の判別表示がありません。
よってどれかスパムだったのか、ワーカーは知る由もなく。
それでも残念なことに、余りにもaccuracyが低いと、強制的にタスクを終了させられたり、その仕事を回してもらえなくなります。
オフィシャルマニュアルには、spam accuracyのスコアが80%を下回ると、タスクに取り組めなくなると書いてあります。
Outlierは、自分が提出したタスクを別の人間が【評価・フィードバック】してくれてるのですが、それと比べるとUHRSは評価基準が曖昧です。
UHRSについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの公式ガイド(英語)にてご確認ください。
https://www.clickworker.com/wp-content/uploads/2016/01/A-GUIDE-TO-UHRS.pdf
なお、Clickworkerはフリーランスワーカー扱いです。収入に対する税金の取り扱いは、お住まいの国や仕事の有無などによって異なるので、十分な確認が必要です。副業系の雑所得は、給与所得の有無、そして扶養内パートタイム労働者など所得制限ありの場合に応じて取り扱いが変わります。
まとめ
Clickworker (UHRS)メリット
◯専門的なスキルがなくても、気軽に始められる。英語のインストラクションの読解力と簡単なライティング力があれば大丈夫。コピペや翻訳も可能。
◯clickworkerのダッシュボードに出てくるアンケート調査は、事前テストなし。こなした分だけ収入となる。
◯UHRSの方はタスク(Hit)が潤沢にある。単価は安いが、スキマ時間にスマホで作業可能。0.4〜0.5€(60〜80円)のタスクを大量にこなせば、ちょっとしたアルバイト程度の金額は稼げる。
◯納期や契約など不要のため、好きな時間、好きなタイミングで作業に取り組める。スマホとパソコン&ネット環境さえあれば、いつでもどこでも仕事可能。
Clickeorker(UHRS) デメリット
◯登録がちょっと面倒。Clickworkerに登録後、UHRSに登録するには別途マイクロソフトアカウントを作成・登録する必要あり。
◯なりすましやBotワーカーをブロックするためなのか、ブラウザでログインするにはスマホアプリでの二段階認証が必要。ペイパルアカウント認証など、個人認証システムがしっかりしている点は安心ではあるが、少し煩わしい面も。
◯Clickworkerのアンケート調査内容は、居住国による。日本語のアンケートにたどり着けるのは、日本にお住まいの方だけかも?
◯とにかく地味な作業の繰り返しなので、ちょっと飽きる。高い集中力と忍耐力が必要。単価の低い作業も多いため、下手すると労働力を搾取されかねない。
https://www.gizmodo.jp/2023/01/openai-chatgpt-ai-chat-bot.html
こちらの記事に紹介されているように、有害データを取り除く作業をするために児童労働が横行していたり、低賃金で途上国の人に作業させたりした問題点もあります。
0.02ユーロのタスクなんて、100件こなしてやっと2ユーロ。1件1〜2分でできる作業もありますが、時給換算したら…200円にも満たない場合もあります。
AI発展の裏側にある、人間の労働力搾取が見え隠れしてしまう作業でもあるかもしれません。
Outlierと合わせて、生成AIの成長は、もはや人間の生活に欠かせないテクノロジーの一部になっています。その信ぴょう性だったり、AIを鍛えるための人間の努力だったり、やはりまだ発展途上感は否めません。
そして、人間の仕事がいつかはAIにとって代わられる!と言われて久しいですが、そんな自分の仕事を脅かす(?)存在になるかもしれないAIを必死に育てる仕事を、張本人である人間がやっているのですよね。客観的に考えると本末転倒で、どこか滑稽な部分もあるなぁと俯瞰してしまう自分もいます。
賛否両論あれど、時代の流れの最先端を感じることができるタスクに携わる経験ができることを素直に楽しんでいるのもまた確かです。
90年代から2000年代の国内産業の発展と共に成長してきたアラフォー世代の私にとっては、物質的な変化、すなわち目に見える物の”わかりやすい変化”が好きでした。
例えばブラウン管が薄型テレビになった、VHSがブルーレイディスクになった、カセットテープがCDになった、フロッピーディスクがUSBメモリーになった、ガラケーがスマホになった、などなど。
MDウォークマンだって、iPodだって、当時は革新的な持ち物でした!製造業界の確変がもたらした驚きの連続は、生活が便利になって豊かになっていくのを実感できる瞬間だったなと思います。
そして2020年代からの10~20年は、情報産業や科学技術を中心に、目に見える変化というよりは「いつの間にかそうなっていた」という体感があるようなないような、そんなグラデーションのような日常の変化にたくさん恩恵を受ける時代の真っ只中にいるのだなと、AIトレーニング事業を通して感じています。
いつの日か「AIのトレーニング?そんなこともやった日があったな」と懐かしめる日が来ることを想像して、「今この瞬間できること」についていけるように、自分をアップデートし続けたいものです。