シャローム、a-box-of-chocolateです。ついに!ついに!!今日でウルパンでのヘブライ語コースが一段落しました。アレフというビギナークラス、どうにか最後までやり遂げることができました!
Youは何しにウルパンへ?
ユダヤ人の子孫たち – Aliyah
以前のエントリーでも書きましたが、私が通っていたウルパンは、少人数で生徒の国籍もバラバラなインターナショナルなクラス。若い人や学生も多かったですが、いろんな人と話す中で、みんなそれぞれ目的があってヘブライ語を学んでいることがわかり、とても興味深かったです。
まず、一番多かったのがAliyah(アリヤー)。ウルパンの目的はイスラエルに移住してくるユダヤ人を語学面でサポートすることなので、とても理に適っています。イスラエルの国外で生まれ育ったユダヤ人、または両親や祖父母がユダヤ人でイスラエルに住んでいる(いた)など、アリヤーに該当する条件は色々とあるようですが、フランス、アメリカ、ドイツ、南アフリカなど、世界の様々な場所からイスラエルに移住してきた、という人と出会いました!こうしたnew olimは、ヘブライ語を習得して現地で仕事を見つけるつもりだと言っていました。いや~すごいです、本当に。
この「ユダヤ人」という概念が、私の中ではとても曖昧だったので調べてみたところ、国籍(生まれた場所)で〇〇人、とくくるのではなく、「ユダヤ教徒である」「ユダヤ人の母親から生まれた子」とされています。ユダヤ人が自分たちの国家として建国した「イスラエル」に住んでいる=国籍イスラエルのイスラエル人。国籍はイスラエルだけどイスラム教徒(アラブ系)も二割はいるようですので、その人たちは「ユダヤ人」ではない、という、ちょっとややこしい事情もあります。
スティーブン・スピルバーグ監督や、ナタリー・ポートマン(生まれはイスラエル)などは「ユダヤ系アメリカ人」と言われていますが、国外に住んでいるJewish=ユダヤ系〇〇人、に分類されています。生まれ育った「場所」よりも、宗教的背景や家族構成などが自分のアイデンティティの大きな部分を占めている、という感覚は、私にはぼんやりとしたものでしかありませんが、大切にしている信念に基づいて住む場所を変えたり、新しい言語を習得したりするエネルギーを持っている人たちと出会って、私の価値観もアップデートされました。
日本においては、日本人=●●教を信じている人、ではなくて、日本で生まれ育った人、日本国籍の人の総称、であり、ステレオタイプではありますが、黒い髪・黒い瞳の顔、そして日本語を話している=日本人です。その一方で、イスラエルにおける「〇〇人」という括りは、超正統派ユダヤ人(伝統的な黒い服を身につけた人たち)を除いては、見た目ではまったく分かりません。
アリヤーで移住してきた若い男の子は、このあとIDFで兵役につくと言っていました…外国からの移住者でも徴兵対象なのかと驚きましたが、まずはIDF内のウルパンでさらにヘブライ語を学習してから兵役義務を果たす、とのことでした。彼がどうか無事であってほしいと、心から願います。
パートナーがイスラエル人orアリヤーによる移住者
結婚してイスラエルに移住してきた人、またはこれから結婚予定でイスラエルに住むことになる人たちがヘブライ語を勉強している、というパターン。これは、ものすごい覚悟と決断だなと思いました。イスラエル人は英語が堪能な人が多いので、パートナーと会話するときはヘブライ語は必要はない、とは言えども、結婚後もイスラエルに永住するとなると、話は変わってきます。生活言語としてヘブライ語を身につけたい、パートナーの家族と話すときにヘブライ語が必要、など。国際結婚あるあるでしょうか。これも立派な動機で、家族のためにヘブライ語を身につけようという素晴らしい人たちです。
仲良くなったホンジュラス出身の女性は、イスラエル人男性と結婚してテルアビブに住んでいる娘家族と共に、今後はイスラエルで暮らしていくために移住してきた、と言っていました。祖国を離れて外国に永住する決断をしたそうです。彼女は60代ですがヘブライ語をものすごく熱心に勉強していて、私はとても刺激を受けました。
非ユダヤ人、無宗教、純ジャパ、知り合いゼロ、無職、イスラエルに縁もゆかりもない駐妻
はい、私です。笑
このパターンは本当に珍しいのか、ウルパンの先生たちもクラスメートも、「へぇー!!」と驚いていました。そもそもイスラエルではアジア人が珍しいうえ、イスラエル人のパートナーがいるわけでもない。何度も何度も、いろんな人に「なんでウルパンに来てるの?」と聞かれました。昨日はレッスン後に先生の手作りフムスを食べる、というランチ会があって参加したのですが、ほかのクラスの人たちからも、「ヘブライ語を勉強して、こっちで就職するの?」「ご主人はイスラエル人なの?」と聞かれました。ウルパン=超実用的なヘブライ語教室なので、最終的なゴールは仕事を得てイスラエルで生活することですので、、、そんな向上心もないのに(笑)、アジア言語圏からわざわざヘブライ語を勉強しに来ていること自体、けっこうレアなようです。駐在員だから現地就職は難しいけど時間はたっぷりあって、イスラエルに長く住むことになりそうだから、ヘブライ語が理解できるようになりたい、という話をしました。
一番最初に、「ビギナークラスの初心者の定義が広すぎる!」と言いましたが、おそらくここまで最底辺(ヘブライ語の接点ゼロ)の人は、なかなかウルパンに来ないのでは?という結論に至りました。笑
曜日や時間の言い方など、一瞬で通り過ぎて行って、はぁー????と思っていましたが、そもそも、普段からヘブライ語を一切見聞きしていない人(私)の方が稀で、先生たちも本当に大変だったと思います…本当にわかりやすい授業をしてくれた先生たちに感謝です。たどたどしいヘブライ語しか出てこないけど、忍耐強く耳を傾けてくれ、切磋琢磨した素晴らしいクラスメート。教室で習ったこと、テキストに載っていないことは、何もわからない!というガチ初心者でしたが、どうにかこのクラスを修了することができました。
この一か月間、ほぼずっとヘブライ語または英語で生活していて、ちょっとした留学生になった気分でした!前回の駐在生活では英語を猛勉強したので、やっておいてよかったなと心から思いました。ずっと家にいてもやることがなかったり、ついついダラダラしてしまいがちなので、、とても刺激的で楽しい一か月間を送ることができました。そういう意味でも、思い切ってウルパンに通ってみてよかったなと思います。
アレフコースを修了した成果について。継続は力なり!
この一か月間、ヘブライ語のシャワーを浴び続けて、大量の単語や文法を詰め込まれたわけですが、、、私のヘブライ語はレベル0から1になりました。0から1,というのは、本当に大きな成長だと自画自賛、自分を褒めたいです。笑 まず、街中の看板やスーパーの商品名が少しずつ読んでわかるようになったこと。テレビや音楽、人々が話している単語の一部が意味を成しているものとして聞き取れるようになったこと。ただの記号だったもの、BGMだったものが、私にとって意味をもつというのは、とても大きな変化です。
実は今朝、いつものように自転車でウルパンに向かっている途中の交差点に警察官がいて、突然呼び止められました…(職質…)!Do you have Israel ID?と聞かれてNoといったあと、Do you know イブリット?と英語交じりに聞かれたので、ここはヘブライ語の出番!と思い、少しだけ、でも話さない、日本出身、ということを伝えました。なんで呼び止められたのかわかりませんが、最後は「ヘルメットかぶってね」と言われて終わりました。憶測ですが、交通安全のパトロールをしていたわけではないと思います。ヘルメットかぶってない人山ほどいるのに、私だけ呼び止められたのは、、、明らかに外国人だからだったと思うのですが、、、まさか、初めてヘブライ語で会話した相手が警察官になるとは思いませんでした!ウルパンに通っててよかったです。
知識として得たヘブライ語は膨大なものですが、全く持って消化不良です。引き出しに洋服が山のように入っているが、たたまずに詰め込みまくったのでうまく取り出せない。お腹一杯おいしいものを食べたけど、胃もたれを起こしている。そんな状態なので、次のクラスにステップアップする前に、もう少し復習が必要です。クラスメートの多くは来月からアレフ1-2に進みますが、私は小休止。子どもが夏休みに突入するというのもあるし、そもそも、先生からも復習の期間を設けてから次にステップアップしたほうがよい、とのアドバイスでした。6月は、テキストの内容の復習、そして先生がおすすめしてくれたヘブライ語の音楽や映画などを見て、ヘブライ語を聞き取ることに少しでも慣れていきたいと思います。
最後に雑感。
ヘブライ語(未知の言語)をやってみて思いましたが、、よく分からない言葉でバーッと物事を言われても、分からないストレスが大きかったり、ポカーンとしてしまったり、、、言語学習の始まりはこんなに苦しいものなんだ…と痛感しました。日本では英語を教える仕事をしていた手前、忍耐強く、繰り返し教えるということは意識していたつもりですが、学習者側の気持ちに立って考え直すよい機会でもありました。
次に、英語は言語構造としてはとてもシンプルだなぁと改めて実感しました。ドイツ語、フランス語と比べても圧倒的に簡単で一定の規則性があり(シンタックスの観点では)、男性詞・女性詞という複雑な変形もない。とても合理的な言葉なので、世界中に広がっていったのかな?と思います。そしてヘブライ語は英語から吸収した言葉もたくさんあって(museum=ミューゼオン、information=インフォマーツィア、など)、英語の影響力の大きさも感じました。
ヘブライ語がわからないストレスと、わからないものを勉強して獲得するストレスと、どっちが大きいか?と言われると絶妙なところではありますが、、、こうして言語を学ぶことに付随して得られた経験や出会いがあってこそ、言語を学ぶ醍醐味かなと思います!私のイスラエル生活はまだまだ始まったばかりですので、ヘブライ語を介して、ここでの生活がもっと豊かなものになっていけばと思います。
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