海外赴任中の学校選択問題。
海外駐在生活に学齢期の子どもを帯同する場合、避けて通れないのが「学校をどうするか?」という悩み。一般的には、「現地校(赴任先にある公立の学校)」「インターナショナルスクール」「日本人学校」「補習校」などの選択肢が挙げられるかと思います。コロナ以降、オンライン授業の選択肢も格段に増えたので、リモートで通信教育を受けるなど、通学することににとらわれなくても学校教育を継続することはできるかと思いますが、学齢期の子どもにとって、赴任先にある学校に通って同年代の子どもと関わって社会性を築き上げたり、その国の文化や習慣に触れたりすることも、大変貴重で欠かせない経験だと思います。
イスラエルの場合。インター一択!
さて、我が家は義務教育年齢の子どもを伴ってイスラエルに渡るのですが、現地で(現実的に)通える学校は、インターナショナルスクールのみです。なぜかというと、現地語はヘブライ語、親子でよっぽどの強心臓の持ち主である場合を除いて、ヘブライ語の公立学校に通わせるという選択肢を取るのは、無料で教育を受けられる恩恵があるとしても、なかなか難しいです…。もしくは、子どもがまだ幼児だったら考えたかもしれません。ちなみに、イスラエルの義務教育は3歳から16歳までを指すそうです。「Israel International School」で検索すると、英語(イギリス系、アメリカ系)の他にフランス語のスクールもありました。想像していた以上に駐在員や移民が多く、インターナショナルスクールも充実している印象です。
Expat Arrivalsというサイトをよく見るのですが、そのサイト内では駐在家庭がよく選ぶインターナショナルスクール紹介ページもあります。
(詳細は伏せますが)我が家もこのリストにあるスクールの一つに行くことになります。学校の場所、および学費の補助が出るかどうかも大きな問題となりますので、会社ごとの福利厚生をよく確認して選ぶ必要があります。世界的な共通事項かと思いますが、イスラエル国内のインターナショナルスクールもご多分に漏れず、学費がものすごく高いです…。ざっとですが、年間500万円くらい。駐在で補助有りの条件でなければ絶対に通わせることもできない状況ですので、子どもには「幸運にも海外でインターに通うことができた」という事実を忘れないでほしいです…。
オンラインで完結。インターナショナルスクールへの入学申し込み
さて、インターナショナルスクールに通わせると決まったあとは、入学の申し込み手続きをしなければなりません。前回の駐在時は子どもは日本人学校に通っていたため、インターは親子共に初めてです。ちなみに子どもは年齢的にミドルスクールからの挑戦です。遠く離れた海外の学校、ありがたいことにonline application dashboardがあり、リモートでadmissionを完了することができました!
インターナショナルスクールに提出する書類は多岐にわたりますが、一番面倒だったのが、過去2年分の成績表提出。もちろん英語で、です。学校の通知表はすべて日本語で書かれていて、それを学校の先生に英語にしてほしいというのも申し訳ないので、許可を取って自分で英訳しました…。さらに、全国共通テストに準ずるものの結果提出も求められ、、全国学力調査テスト結果を添付しました。原本である日本語の提出義務はないので評価観点も含めてすべて英訳しましたが、これらの書類が審査の過程でどの程度重視されたのかは、正直わかりません。形式的なものかもしれません。ただ、実の親が作った書類でよい、という点はありがたかったです。
そのほかに、予防接種履歴の提出(母子手帳の英訳作業)、通っている学校の先生からのconfidential recomendation form(推薦状)、語学力やこれまでの生育環境などを含めた調査フォームなど、膨大な量の書類がありました。予防接種については、日本で推奨されているものと海外のものが異なる場合があるので要注意です。●●が足りない、と言われたら、それを追加で接種しなければなりません。例えばアメリカの例になりますが、MMR (measles-mumps-rubella) vaccine(麻疹、おたふく風邪、風疹の三種混合)は12歳以下の子どもは接種完了しているべき予防接種とされているのですが、日本で定期予防接種とされているものはMR(麻疹、風疹の二種混合)。ムンプスが打ち終わっていない点を指摘され、追加接種しました。
入学試験(ペーパーテスト)はなく、最後に現地の先生方とのオンラインミーティングをやって、すべて完了でした。専用のダッシュボードに個人ページがあり、そこのチェックリストに沿って所定のフォームに入力、またはPDFファイルをアップロードすれば完了するという方法で入学申し込みができました。当然ながら事務局との問い合わせメールは全て英語でのやり取りで、先方とのミーティングもこちらが英語を話せる前提でした。子どもの英語力は学校で習った英語レベルですので、緊張のあまり硬直していましたが先生方も習た様子で対応してくれました。インターナショナルスクールに通う子どもは、様々な国から様々な英語レベルで来ているから、安心してねとEALクラスの先生も言ってくれました。個人的に英語を教える仕事をしていたので、EAL(English as an Additional Language) programはどんな風に教えているのか、とても興味があります!
日本語教育はどうする?
イスラエル国内には、日本人学校や補習校はありませんので、日本語および日本で習うであろう範囲の勉強をさせたい場合は、家庭でどうにかするしかありません。次に日本に戻るときには、いわゆる「帰国子女」になっているわが子ですが、現時点では日本の中学校での学習範囲をカバーする手立ては何も持たずにいます。Z会や進研ゼミなどの通信教育を海外受講できるシステムもありますが、まず第一に、異国での生活に慣れること、第二に、新しい学校に通って英語に慣れる環境作りを優先すること、この二つを大切にしたいと思い、あえて日本での学習内容の遅れなどは考えないようにしています。
それでも、海外子女教育振興財団から、教科書だけは発給してもらいました!せめて国語と数学は必要かなと…。子どもの日本語教育についてどうするか?という点は今後も大きな悩みとなりそうです。
コメント