【イスラエル駐在三年目】三度目のヨム・キプール(Yom Kippur)!スコット(Sukkot)!ユダヤ教のハイホリデーシーズンまとめ(2026)

元気に生きてます、a-box-of-chocolateです。ブログを放置しがちの今日この頃、気づけば10月になっていました….。今年も残りわずか!さて、前回のブログでも綴ったように、9月後半の「ロシュ・ハシャナー(ユダヤ新年)」から、イスラエルはずーっとホリデーシーズン。ひたすら海外旅行をしまくるか、国内でスカーというテント暮らしをするか、とにかくのんびりした楽しい年始を過ごしています。
駐妻の生活なんて、正直なところ年がら年中ホリデーみたいなものですが。毎年このハイホリデーシーズンは、航空券代も爆上がり!ユダヤ人(イスラエル人)が世界中に散らばっていく、まるで中国の春節のようなイメージがあります。過去二年はイスラエルにとどまっていたのですが、今年はアゼルバイジャンに旅行に行ってきました!この話はまた別の記事で詳細を綴りたいと思っています。
ダラダラと長い連休、夏休みが終わったばかりなのでそんなに祝日がなくてもいいかな?と個人的には思っていますが、「太陰暦(ユダヤ教カレンダー)」に合わせた休みが別にあるのは、それはそれでまたラッキーかもしれません。タイムリーにブログを更新できませんでしたが、今年のハイホリデーの様子を綴ります。
2026年9月20日~9月21日★ヨム・キプール
ヨム・キプールとは「贖罪の日」。神に年に一度「罪の許しを乞う日」であり、具体的に何をするかというと、一切の労働禁止(車の運転や入浴もNG)、25時間の断食(水分摂取もNG)、シナゴーグでの祈り。身を清め、静寂に身を包む日なのです。
私は(ユダヤ教徒ではないので)断食もせずにいつもどおり過ごしましたが、むしろこの一年で一番街が静かになる日というのは、ある意味一年で最も楽しい日なのです♪
それは。【高速道路を自転車で爆走すること!】


「一年で最も静寂が訪れる日」というのは本当であり、本当ではありません。普段の大渋滞のノイズ、クラクション、人々のけんか腰の声などは一切聞こえないので、街中は静かだし空気が澄んでて遠くまで景色がよく見えました。そういう意味では「とても静か」ですが、日没後から人々(主に子ども)が外に出てサイクリングを始めた瞬間。あっという間ににぎやかで騒がしくなりました(笑)

普段、大渋滞のアヤロン(高速道路)も、ご覧の通り自転車で走行可能に。ただし、車が完全に走っていないわけではないので(宗教上のルールなだけで、絶対に乗ってはいけないわけではない)交通事故には要注意です。
ユダヤ教の殉教者救済団体マゲン・ダビド・アドムは、ヨム・キプールの期間中に発生した交通事故で、35歳と45歳の男性2人が死亡し、46人が負傷したと、祝日後の最新情報で発表した。
交通事故で負傷した人のうち、1人は頭部負傷で重体、1人は重傷、3人は中程度の負傷、残りの39人は軽傷だった。
MDAによると、25時間にわたる断食期間中に合計3,322人を治療した。その中には、断食中に失神した人や、脱水症状などの断食に関連する症状に苦しんでいた人368人が含まれる。
報告書によると、自転車、ローラースケート、スクーター、スケートボードに乗っていた際に負傷し、299人が治療を必要としたという。これらは、断食期間中は道路交通量が大幅に減少するため、世俗派のイスラエル人の間で人気の高いヨム・キプールの行事となっている。
緊急サービスによると、ヨム・キプールの期間中、ウム・アル・ファームで発生した暴力事件で1人が死亡し、国内各地で発生したその他の暴力事件で40人が負傷した。
https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/magen-david-adom-2-killed-in-road-accidents-over-yom-kippur-368-people-treated-for-fast-related-issues
実際、救急搬送はヨム・キプールが一年で一番忙しくなるとか…あちこちで救急車のサイレンが鳴っていました。
ほとんどの人は車の運転と同じで、自転車の運転も非常に荒く、全然左右確認せずに飛び出してきます。しかもものすごいスピードで。私も子どもの団体を避けるのに苦労しました。断食がつらくて具合が悪くなったり、交通事故にあってヨム・キプールに命を落とすなんて…もはや「贖罪」になっておらず、本末転倒です。何事もほどほどに。
翌日(21日)も、高速道路はまさにフリーウェイ。自転車でいつもの道をサイクリングしてきました。


ガソリンスタンドも完全休業!本筋とは離れますが、今は1Lあたり8.65シェケル。リッター450円近いですよ~イスラエル!
というわけで、この3年間毎年サイクリングをして楽しんだヨム・キプール。特にテルアビブは世俗派が多いので、シナゴーグに籠ったり断食をガッツリやったりせずに、サイクリングやピクニックを楽しんでいる家族もたくさんいました。外国人でもその国の風習を楽しめるというのがとても魅力的です。
9月25日(日没)~10月2日 スコット(仮庵の祭り)

「スコット」と呼ばれるこのホリデー機関には、”仮庵”(スカー)と呼ばれる小さなテントを建てます。自宅の庭やベランダなどに植物の枝などで屋根に隙間を開けた小屋を建てて、そこで食事や睡眠をとります。(全員ではありません)
写真はエルサレム市庁舎前に設置された「世界一巨大なスカー」!
「世界一」という文言からして、ものすごい巨大なものを想像したのですが…えーっと….あくまで「テントはテント」でした。

26日(土曜)の昼間に見に行ったのですが、まだイベントは何もやっておらず。外には警備員も配置されていて、残念ながら中には入れませんでした。

たしかに、一般家庭が設置するスカーに比べたら何十倍もの大きさです。


飲食店の外にあったスカーはこんな感じのサイズ。
ちなみに、この日は土曜日のエルサレム。スマホを使っている人は全くおらず!写真を撮りまくりの私は明らかに浮いており、ちょっと申し訳ない気分になりましたが、めったに来ないエルサレム、しかもスカーを見るために来たエルサレム。不敬ながらも写真をたくさん撮りました。外国人観光客風情で恐縮。


オールドシティの入口付近(Jaffa gate)にも、巨大なスカーが出現。テルアビブよりもスカーがたくさんありました。ちなみにスカー(Sukkah)の複数形がスコット(Sukkot)です。
「嘆きの壁」にも行きましたが、びっくりするほどガラガラでした。スコットにまつわるお祈りは27日からと案内が出ていたので、26日は定期的にお祈りに来ている訪問者のみだったのかもしれません。

スコットのもう一つの風物詩は、「四種類の植物(アルバー・ミニム / Arba’at HaMinim)」 による祈祷。英語では”Four Species”と訳されます。
儀式では、以下の4つの植物を一つにまとめて手に持ち、神への感謝を表します。
- ルラブ(Lulav): ナツメヤシの若葉。まっすぐ伸びる「人間の背骨」を象徴し、傲慢さを捨てて神に仕える姿勢を表します。また、「味(知識)はあるが香(善行)がない」人々(律法を学んでも実践が伴わない人)の象徴でもあります。
- エトログ(Etrog): シトロン(レモンに似た柑橘類)。心臓の形に似ていることから「人間の心(心臓)」を象徴します。「味も香りもある」最も理想的な人々(知識もあり、善行も積む人)を表します。
- ハダシム(Hadassim): 3本のギンバイカ(マートル)の枝。葉の形が「人間の目」に似ているとされます。「香はあるが味がない」人々(知識はないが、善行を行う人)の象徴です。
- アラボット(Aravot): 2本のヤナギの枝。葉の形が「人間の唇」に似ているとされます。「味も香りもない」人々(知識も善行もない人)を表します。
束ねた植物を右手に、エトログを左手に持ち、スカーの中で東・南・西・北・上・下の6方向に向けて優しく揺らす、という伝統的な儀式があります。

スカーは、もはや市民の憩いの場。まだまだ屋外は日差しが強いイスラエル、日除けにもなるし一石二鳥です。

ちなみに、「アルバー・ミニム」は街中で販売している人もいれば、通行人に「祈禱しませんか?」と声をかけている人もいます。この写真は、アゼルバイジャンから帰国した日のベングリオン空港駅にて。ハグ・サメアハ!(Happy Holiday)と道行く人に声をかけていました。
10月2日(日没)~10月3日夜 シェミニ・アツェレット(Shemini Atzeret / שמיני עצרת )と「シムハット・トーラー(Simchat Torah)
シェミニアツェレット(Shemini Atzeret / שמיני עצרת)は、ユダヤ教の暦で仮庵の祭り(スッコト)の直後に祝われる独立した祝日です。ヘブライ語で「8日目の会合(アセンブリ)」を意味します。スコットは終わったけど、もう一日神様と一緒に過ごしましょう、という意味合いだそうです。そしてこの祝日の朝の礼拝では、これからの季節の恵みを願う特別な「雨のための祈り(トフィラト・ゲシェム)」が捧げられるそうです。
続くシムハット・トーラーは、律法を喜ぶ祭り。ユダヤ教の戒律・トーラー(巻物)を読み終わった喜びを表現する祭りです。
ユダヤ教徒は、旧約聖書の最初の5つの書(モーセ五書=トーラー)を1年かけて毎週少しずつ読み進めます。この日に最後の章を読み終え、その瞬間にまた最初の章(創世記)を読み始めるため、「聖書を読み終えた喜びと、新しく始まる感謝」を体全体で表現します。

5巻読み終わって、また1巻に戻るというわけです。私は一回読み終わった小説を二回以上読み返すことはほとんどないので、これを一生かけて繰り返すなんて、凄まじい忍耐力だと思います….。
トーラーを抱いてダンスをする(ハカフォト) が行われるのも、シムハット・トーラーの特徴。シナゴーグで踊り狂って喜びを表現するそうです。

ハグ・サメアハ!という大きな電光掲示板がアヤロンの側道にも掲示されていました。トーラーを抱えて踊る層じゃない人たちも、この日はとにかく楽しく過ごす!というのがモットー。

今年のハイホリデーシーズンは、特に戦争関連に巻き込まれることなく(フライドバイ・ハイジャック未遂事件はありましたが)平和に過ごせたことが何よりです。

