【2025年版】ユダヤ教のお祭り、Hanukkah(ハヌカ)とは?イルミネーションと蝋燭の光が煌めく12月!

こんにちは、a-box-of-chocolateです。ここ数日、ようやく寒くなってきたテルアビブ。さすがに夜も冷えるので、掛け布団を出しました。でもまだまだ暖房要らず、裸でランニングしてる人も街中にいるほど、昼間は晴れていいお天気です。
昨年(2024年)は戦争真っ只中だったこともあり、12月のイルミネーションは一切やっていなかったのですが(自粛?)、今年は街中のあちこちに【ハヌカ】を祝う装飾が施されていいます。
今回の記事では、ユダヤ教独自の12月のセレブレーション、【Hanukkah/ハヌカ】について綴っていきたいと思います。
ユダヤ教がお祝いする「ハヌカ」。 光と油のお祭り!!
イスラエルやユダヤ人コミュニティで、毎年冬になると目にする「ハヌカ(Hanukkah/חנוכה)」。ざっくり説明すると、ろうそくを灯し、家族で集い、揚げ菓子を食べるこの祭りです。
ユダヤ暦のカレンダーに左右されるので、毎年ハヌカの時期は変動しています。2025年は、12月14日日曜日の夕方(イヴ) ~ 12月22日月曜日までの8日間です。
ハヌカの起源
ハヌカは、紀元前2世紀に起きた「マカバイ戦争」に由来する祭りです。
当時、ユダヤの地はシリアの支配下にあり、ユダヤ教の信仰や慣習は厳しく制限されていました。これに反発したユダヤ人たちが蜂起し、エルサレム神殿を奪還したことがハヌカの始まりとされています。
神殿を清め、再び灯をともそうとした際、本来1日分しかなかった清められた油が、奇跡的に8日間燃え続けた!この「光の奇跡」を記念するのがハヌカです。
それにちなんで、ハヌカは毎年8日間続きます。油の奇跡が8日間続いたとされる伝承に基づいているのです。
参照→wikipedia

この期間、ユダヤ人の家庭では「ハヌキヤ」と呼ばれる9枝の燭台を使い、1日ずつろうそくを増やして灯します。中央の1本(シャマシュ)は、他のろうそくに火をつけるための特別な存在です。
テルアビブポートのラウンドアバウトにて。蝋燭だけではなく、電飾もたくさん見かけます。
ハヌカの過ごし方
ハヌカは、厳粛な断食や礼拝を伴う祝日ではなく、どちらかというと家庭的で明るい雰囲気のお祭りです。
①ろうそくを灯す
日没後、家族が集まり祝福の言葉とともに点灯します。

ポートで行われていた子供向けの「灯篭流し」イベント。海に流しているので…波に流されて、全てのランタンが一か所に集まってしまう、という残念な光景に!!

幻想的な光のお祭りっぽい光景です。

テルアビブ・シティホールにて。14日日曜、ハヌカ・イヴに立ち寄ったら、点灯式的なことをやっていました。とにかく爆音でピアノを演奏。DJみたいな人もいました。15分くらい見ていたのですが、赤いライト(蝋燭部分)がなかなか点灯することもなく…オレンジ色のリフトが上下に何往復もしていました…。

イーブル・アイ(青い目玉のシンボル)を模したと思われるイルミネーション!

ロスチャイルド通り。キャンドルっぽい形のイルミネーションが登場。

電飾、頑張ってますよ!青や紫の光は、コマの形。

Sheinken Stにて。オレンジでのデコレーションバージョン。遊び心満載でかわいらしいです。

イルミネーションのイベントは、テルアビブ市内のあちこちで行われています。余談ですが、草間彌生さんの展示もテルアビブ美術館でやっているようなので、いつか行ってみたいです。
②油を使った料理を食べる
奇跡の油にちなんで、スフガニヤ(イスラエル風ドーナツ)やラトケス(ポテトパンケーキ)が定番です。

カルメルマーケットにて。いちごジャムとチョコレートクリームが定番。
要するに揚げパンです。きなこをかけても美味しそうです。
1つ8~10シェケルくらいです。(400~500円くらい)

よく行くベーカリーにて私も購入。中はプレーンでした。美味しいけど重い…!胃がもたれる、冬の揚げパン祭り。私はミスドのエンゼルクリームが好きなのですが、ちょっと似ています。

おしゃれなデコレーションドーナツも多々!
カロリー爆弾ですね(笑)。

デコバージョンは、ちょっとお高め。1つ16〜18シェケル(約800円)です。
※2025/12/19現在、1シェケル49円
ついつい買ってしまい…メープル&ピーカンを食べました。中はメープルクリームが入っていました!
ちなみに、ラトケスというじゃがいもパンケーキも、自分で作ってみました!

ハッシュブラウンにそっくりですが、小麦粉入り&卵も入っているので、もっとガッツリした重みがあります。こちらも油をたっぷり使って調理する食べ物の代表です。
アップルソースとクリームチーズをつけて食べました。こちらもカロリー爆弾!!
recipeはこちら。
https://www.allrecipes.com/recipe/16073/potato-latkes-i
③ドレイドルというコマ遊び
ヘブライ語の文字が刻まれたコマを使い、子どもたちが遊びます。チョコレートコインを賭けて遊ぶのが定番だそうです。ベーゴマ遊びのようなシンパシーを感じます。ベイブレードのおもちゃ(正規品かはさておき)もたまに見かけるのですが、コマ遊びはユダヤ人にとっては身近なようです。お正月にコマ回しをする日本の伝統にも似ていますね。
現代のハヌカ
イスラエルでは、街中やショッピングモール、公共の場にも大きなハヌキヤが設置されます。宗教的というよりも、文化的な行事として、多くの人に親しまれています。クリスマス(イエスの誕生を祝福する)がクリスマスツリーを象徴するのと同じように、ハヌカ=ハヌキア(燭台とろくそくの灯火)がユダヤ文化そのものを象徴しているように感じます。

カルメルマーケットの入口。人が集まるところには、このハヌキアモチーフの電飾が必ずあります。

今年は、ハヤルコン・パーク内にてLumagicaというイルミネーションイベント(入場有料)もやっています。ちなみに昼間はライトオフですが、無料でオブジェを見ることができます(昼間に撮影しました)。
2024年には全く感じられなかった、ハヌカのお祭り気分。
今年は停戦後という情勢もあり、イスラエル各地で「光の祭典」を楽しむイベントが行われています。
美味しいものを食べて、家族で集まって喜び合うという楽しみ方が、全てのユダヤ教行事の根底にあるように感じます。ロシュ・ハシャナ(9月末)に「新年のお祝い」は済ませているイスラエル国内ですが、西暦カレンダー上は、まもなく新年。
このまま来年も、穏やかな日常が続いていきますように、と心から願っています。

