【イスラエル生活3年目】テルアビブがレインボーに染まる日!プライドパレード体験記

こんにちは、a-box-of-chocolateです。この記事を書いている2026年6月15日現在、「イラン・アメリカの停戦合意」が発表され、ほっと胸をなでおろしています。一方で、イスラエル軍がレバノンから簡単に撤退するのか?という点は甚だ疑問ですが…戦争のことについて考えるのは、ひとまず横に置いておきます。

2026年6月12日、テルアビブで開催されたプライドパレードに参加してきました!今年で28回目の開催となったLGBTコミュニティのためのイベントは、三年ぶりの開催となりました。
テルアビブに住み始めて3年目になりますが、実はこれまで一度も参加したことがありませんでした。というのも、2024年6月は、ハマスとの戦闘の影響で開催なし。2025年6月は、これはもはやトラウマ級の思い出ですが、前夜にイラン戦争が勃発して中止。今年はようやく!開催にまでたどり着くことができました。
実は、7日(日)夜には、イスラエル北部に向けてイランから約30発の弾道ミサイル攻撃がありました。翌月曜日は全国の学校が休みになり、イエメンからのミサイル攻撃もあり、テルアビブでもミサイルアラートが!こうした状況の中、当日でも容赦なくイベント中止になる可能性があり、よく開催できたなぁ、というのが正直な感想です。
6月は「プライド月間」、テルアビブ市内の各地でLGBT関連のイベントがありました。その集大成としての「プライドパレード」。友人と一緒に、「せっかくだし一度見てみよう!」と参加してみることに。結果から言うと、想像していた以上に楽しくて、そしてとてもテルアビブらしいイベントでした。
目次
テルアビブの街全体がレインボーカラーに!Tel Aviv Pride Parede 2026

期間中、ハビマ・スクエアは夜になると美しくライトアップされていました。

テルアビブ美術館も!

沿道の街灯には、イスラエル国旗がはためいていたのですが、それが全てレインボーフラッグに置き換えられていました。テルアビブ市が総力を挙げて、プライドパレードをバックアップしています。

パレード当日、街に出るとすでにお祭りムード。レインボーフラッグを身につけた人たちがあちこちにいて、カフェやショップにも虹色の装飾が見られました。

私もレインボーグッズを身につけて、準備万端でパレードへ!このイベントはアディダスが公式スポンサーとなっていて、プロムナードでは無料でレインボー扇子が配布されていました!
会場に近づくにつれて音楽が聞こえてきて、巨大なフロートやダンサーたちが登場。
まるで音楽フェスのような盛り上がりです。

爆音で音楽を慣らし、踊りまくる!!派手なトラックの上で、LGBT当事者のみなさんが思い思いのパフォーマンスを繰り広げます。まるでディズニーランドのパレードのような賑やかさで、見学者たちも大盛り上がり!!

イベント参加者は、今回は10万人との発表がありましたが、LGBT当事者だけでなく、友人同士のグループ、子ども連れの家族、高齢のご夫婦まで、本当にさまざまな人が集まっていました。

もはや、コスプレイヤーも混ざっている??というほど、各自気合の入った衣装で参加していました。

もっと政治的なイベントを想像していたのですが、実際には「みんなで楽しむお祭り」に近い雰囲気でした。

もちろん多様性や権利についてのメッセージもありますが(戦争反対とか、動物の毛皮反対など)、それ以上に「自分らしく、ありのままでいよう」というポジティブな空気を感じました。
人間、外見や信条、性格など、様々な点を比較しては自分とは違うものに対して排他的になりがちです。でも、このパレードに参加していたこの瞬間だけは、性別すらも超越した「一人一人の個の存在」として、人間誰しもがこの世に生を受けていて、誰を好きでも嫌いでも、love is love! とても大きな愛、温かい包容力を感じました。


ゴードンビーチから出発したパレードの終着点は、チャールズ・クロア・パーク。今年は超巨大な特設ステージが2つ登場。DJの生演奏によるダンスパーティー!!!まるで夏のロッキンフェスのような人出で、人々の熱気も最高潮に。あまりにも人が多くて遠巻きに眺めるにとどめましたが、それでも雰囲気を味わうだけでも楽しかったです。
気温は27~28℃前後で、じりじりと太陽が暑かったのですが、それでも湿度が低く、からっとした地中海沿岸の気候はとても心地よく、文字通り、人々の笑顔も太陽も水面もキラキラと輝いている、そんな素敵な一日を過ごせました。
そもそも、なぜテルアビブはLGBTフレンドリーなの?
「中東なのに、どうしてそんなにLGBTに寛容なの?」というのは確かに気になるところですよね。イスラエルはユダヤ教の国で、根本的なことを言うと、同性愛も同性婚もNGです。しかし実際に住んでいて感じるのは、テルアビブという街そのものがとても自由だということです。
ユダヤ教徒と言えば、黒服に独特のもみあげ、女性はロングスカートにターバン、という典型的な服装をしていますが、逆にテルアビブでは、このような正統派の人を見かけることすら稀です。服装も価値観も本当に人それぞれ。ビーチでは水着姿の人がのんびり過ごし、カフェにはノートPCを広げた人たちが集まり、犬を連れて散歩している人も多い。
良い意味で「他人は他人、自分は自分」という空気があります。
また、イスラエルは移民国家でもあります。ヨーロッパ、中東、アフリカ、旧ソ連圏など、さまざまな背景を持つ人々が暮らしているため、多様性への理解が比較的進みやすかった面もあるのでしょう。法制度の面でも、1990年代以降に差別禁止などの整備が進められてきました。
その結果、テルアビブは今では世界有数のLGBTフレンドリーな都市として知られるようになっています。
ただし、イスラエル全体が同じではない
ここで少し補足しておきたいのですが、イスラエル全体がテルアビブと同じ雰囲気というわけではありません。宗教色の強い地域では保守的な価値観も根強く、LGBTをめぐる議論は今も続いています。
実際、同性婚についてもイスラエル国内で完全に認められているわけではありません。実はイスラエルには市役所で婚姻届を出すような民事婚制度がなく、結婚は宗教機関が管轄しています。そのため同性婚だけでなく、異宗教間結婚も国内では行えません。
ただし、海外で成立した同性婚はイスラエルで法的に登録することができ、多くの権利も認められています。一番手っ取り早いのが、キプロスで結婚するして、婚姻成立の事実を届け出る。またはアメリカ・ユタ州の「オンライン婚姻」を届け出ることも可能です。
「同性婚はできないけれど、同性夫婦は法的に認められ、養子縁組も可能」という少し不思議な仕組みになっているのです。
同性婚はイスラエルでは行われていないが、イスラエルには非宗教的な民事婚がなく、国内の公認された宗教婚機関も同性婚を行っていないため、イスラエル法は他国で行われた民事婚(2006年以降の同性婚を含む)をイスラエルで行われた婚姻と同じ法的権利で認めている。性的指向に基づく差別は1992年に禁止された。2008年の画期的な裁判所の判決により、同性カップルは共同で養子縁組をすることが認められている。 ]以前は、継子の養子縁組や、非生物学的親に対する限定的な共同後見権が認められていた。LGBTQの人々は軍隊で 公然と勤務することも認められている。
https://en.wikipedia.org/wiki/LGBTQ_rights_in_Israel
2018年にイスラエルのテレビ局チャンネル10ニュースが委託した世論調査では、イスラエル国民の58%が同性婚の合法化を支持していると報告されたが、 2023年にピュー・リサーチ・センターが委託した国際世論調査では、イスラエル国民のわずか36%が同性婚を支持し、56%が反対していると報告された。
ピュー・リサーチ・センターの2025年のデータによると、イスラエル人の47%が同性愛を「道徳的に容認できない」と考えている。この数字は、スペイン(7%)やスウェーデン(5%)など、他の多くの先進国よりもかなり高い。2020年6月21日、テルアビブ・ヤフォ市は、同性カップルが同市で異性婚と全く同じ権利を持つことを発表した。これは市によって提供されるものである。
https://en.wikipedia.org/wiki/LGBTQ_rights_in_Israel
イスラエル国民全体の視点から言えば、同性婚反対者のほうがメインストリームです。それもそのはず、トーラー(ユダヤ聖書の巻物)において、男性同士の性行為は律法で禁止されているため、敬虔なユダヤ教徒からしたら、ゲイカップルそのものを受け容れることができないのでしょう。そのため、テルアビブの自由な雰囲気は、イスラエルの中でもかなり特徴的なものだと言えます。
一報、エルサレム市内でも「プライドマーチ」が行われていますので、LGBTコミュニティは(正統派が多いエリアでも)活動しています。同じ国の中でも地域によって価値観が大きく異なるのは、日本と少し似ているかもしれません。
プライドパレードに参加して感じたこと

今回パレードに参加して一番印象に残ったのは、「特別感のなさ」でした。
もちろんイベント自体はとても華やかです。でも、その場にいる人たちは誰かを特別扱いしているわけでも、珍しいものとして見ているわけでもありません。ただ自然に、一緒に音楽を楽しみ、一緒に踊り、一緒に笑っている。
その光景を見ながら、「ああ、これが多様性が日常に溶け込んでいる状態なんだな」と感じました。
イスラエルは政治や宗教、民族などさまざまな対立を抱える国です。だからこそ、この瞬間はお互いの「違い」を超えて、みんなが同じ空間を楽しんでいるように見えて、とても印象的でした。
これだけ大規模なイベントが、テロ行為や大混乱もなく執り行われたことにも安堵しました。というのも、この行進が行われるビーチ沿いの道は完全に封鎖され、数か所に分かれた検問所(セキュリティ&荷物チェック)をくぐらないと会場に近寄れないようになっていましたし、プロムナードには数百メートルおきに物見櫓が設置され、複数の警察官が常にイベントを監視していました。IDF、警察など1000人規模での警備が行われました。
テルアビブのプライドパレードは、単なるLGBTイベントというよりも、この街の自由さや多様性を象徴するお祭りのように感じました。ニュースだけでは伝わらない空気感を実際に体験できたのは、とても貴重な経験だったと思います。
もし来年以降、6月にテルアビブを訪れる機会があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。きっと、この街の違った一面を見ることができるはずです!

