【イスラエル駐在1年7か月】生まれて初めて!海外の歯医者で虫歯治療をした話。

こんにちは、a-box-of-chocolateです。イスラエル生活、二年目に突入した…と思っていたのもつかの間、あれよあれよと半年以上が経過していました。テルアビブは毎日暑くて全然実感がないのですが、もうすぐ師走です。

果たして現在、私のイスラエル生活の折り返し地点まで来ているのかすらわかりません。私は戦争(10.7)のあとからイスラエルで暮らし始めているので、これまでにかなり大勢のイスラエル人から(レジに並んでた知らない人から、ボランティア活動で出会った農場の経営者まで)、「ぶっちゃけ、この国に住んでみてどうよ?」と聞かれます。

まず素直に、「気候がよくて、景色も奇麗で、イスラエルがこんなに活気があってモダンな国だって知らなかったから楽しい」と答えます。「でも、戦争や政治については想像以上だけど」という一言も添えて。いつまでも戦争が終わらない現状、対パレスチナ人、対ハマスのことになると堂々巡りのディスカッション…いつまでもいつまでも、「見えないゴール」に向かって突き進んでいるような感覚に陥ります。

「日本で生まれ育ったのにイスラエルに来るなんてうそでしょ?」「あんなに丁寧で素晴らしい国なのに!いますぐ戻りたいでしょ?」「日本はドリームカントリー」などなど、手放しで日本を賞賛してくれるイスラエル人との遭遇率がとても高いのですが…隣の芝はなんて青いのでしょう!日本国民として働いて納税して子育てして…という「普通の暮らし」は、かなりハードモードなので。

それでも、母国のことを「素晴らしい国だよね」と言ってくれるのがうれしくて、私も自分が駐在している国のことを「住んでみると素晴らしい国なんだ」という側面を多くの人に知ってもらいたくて、このブログを続けています。最近忙しくてあまり更新できていませんが、書きたいことはたくさんあります!!

いつもながら前置きが非常に長くなりましたが。本日の本題は【海外での歯科治療】!

私はイスラエルで海外歯医者デビューしました。その経験について綴っておきたいと思います。イスラエルって、医療レベルも治療費もかなり高いのですよ!!

国民健康保険ですら「歯医者」は保険対象外!イスラエルの歯科治療事情とは!?

「海外の歯医者は高額」「保険適用外」「アメリカで歯医者にかかったら数十万かかる」などなど…「海外の歯科治療=超高額」はよく耳にする話です。ですので、駐在生活中も、一時帰国中などに日本の歯科に通院することが推奨されています。(3割負担の国民皆保険、神すぎるシステムですよ~!)

現地の人が加入している「健康保険」に加入できる場合

イスラエルでは、成人向けの歯科治療はイスラエルの基本健康保険(Kupot Cholim)に含まれていませんが、費用は米国よりも大幅に安くなっています。Kupotで利用できる補足保険プランでは、多くの場合、歯科治療の一部が無料または割引で提供されており、これには年1回の無料レントゲン検査が含まれます。矯正歯科を含む多くのサービスが割引価格で受けられます。

クリーニング、レントゲン、詰め物、根管治療といった基本的な治療の割引を受けるための待機期間は様々です。この待機期間中、被保険者はこれらのサービスを受ける資格がないにもかかわらず、毎月の診療費を支払い続けます。

すべての無料サービスと割引は、健康保険プランに加盟している歯科医院でのみ適用されますのでご了承ください。

多くのオリムは、健康保険からの払い戻しを受けずに、民間の歯科医院で歯科治療を受けることを選択しています。レントゲン撮影を含む歯科検診の費用は、通常200~300シェケルです。

https://www.nbn.org.il/life-in-israel/healthcare-in-israel/dental-care

上記は、「オリム」と呼ばれる海外からの移民向けの生活ガイドページから引用したものです。

「イスラエルの医療技術はかなり高度で先進的」なのですが、なんと、虫歯治療などは自分が加入している健康保険ではカバーされない、自費診療扱い…!メジャーな健康組合4社のカバー率を見ても、クリーニング年一回無料、予防歯科治療50%オフなどの割引こそあれど、詰め物、クラウン、根管治療などは全部自費診療、というのが現実です…。歯科検診すら約1万円かかるのです!

(アメリカよりは安いよ!というところはポイント高いかもしれません!?)

イスラエルの社会保険制度についての詳細はこちら↓

そして最大のデメリットは、予約が取りにくいことです。歯医者だけに限らず、保険対象の医者にかかるのは非常に手間がかかります。まずは地域のホームドクター(GP)に相談→症状に応じて、健康保険組合が適応される病院にかかる(クラリット、レウミットなど)→次の予約は1~2か月後、なんてことも。

その間に治ってるか死んでるかわからないよ!なんてブラックジョークも聞きました…。

保険証一枚あれば、日本中どこの病院もかかり放題、専門医(皮膚科、眼科、歯科など)もいつでも行き放題、予約も常識の範囲内ですぐ取れる!日本の国民皆保険システム、本当にすごいですよ!!

外国人駐在員の味方!プライベートドクターにかかる場合

そんなわけで、公的保険でカバーしてもらえる「歯科治療」はほぼないも同然なので、よりより治療をしてもらうためには「プライベート(私設)歯科」に行くしかないのです。

いわゆる「自由診療」なので、治療費も技術もばらつきがあります。

テルアビブには数多くの歯医者(開業医)がいて、”Tel Aviv dentist” などグーグル検索すると、「英語で対応可能」な歯医者(これ重要!)がたくさん検索結果に出てきます。その中でも、どうやって良い歯医者を見つけるのか?それはやはり、「口コミ」や「他者からの推薦」が一番参考になると思います。

夫の職場からも「日本人が多く通っている近隣の歯医者」を紹介してもらえたのですが、今回私がかかったところは、私の友人(インドネシア人)が自分で通っていたという、フランス系ユダヤ人の女医さんがやっているクリニック (Dental Aviv)。おおよその治療費などの明細も友人に見せてもらえたので、だいたいの費用や対応などをイメージできたことが決め手でした。

気になる歯科治療の方法と、その費用は?!

今回はかなり酷い虫歯に見舞われ、治療した歯の本数・4本…涙。

日本にいた三年間で虫歯治療や定期検診もしっかり行っていたにも関わらず、4~5年前にセラミックハイブリッドのインレーで虫歯治療した箇所が、再度すべて虫歯になってしまいました…とほほ。

私がかかったドクターのところでは、「レジン(日本でも保険適用可)による虫歯の詰め物は一切やっていない」という方針。すなわち、治療=セラミックやジルコニアによるインレーまたはアンレー、という選択肢しかありませんでした。

セラミックやジルコニアによる詰め物は、日本の歯科でも保険適用外の「自費診療」扱いが基本ですので、セラミックインレー1本50,000円~80,000円、アンレー(広範囲にまたがる詰め物)だと1本70,000円~110,000円程度はかかる見込みです。(ChatGTP曰く)

私の虫歯は全て「アンレー(onlay)」に該当しており、素材はe-maxというブランドのセラミック。詰め物の制作方法はデジタル(CAD/CAM)で、歯型を粘土でつくるやり方ではなく、カメラで口腔内をスキャンして3Dデータ化→歯科技工所で作るという最新のテクノロジーを使用。

筆者

かかった治療費は、歯一本あたり3,800シェケルでした!!

今・・・とんでもない円安でございまして・・・

3,800シェケルとは、すなわち18万円でございます…ひぇえええええ!!!!

治療した歯の本数は4本なので、18万×4=72万。

さらに。私は顎関節症も患っていて、夜間の食いしばりもひどいのです。歯の治療にともないナイトガードも新調しなければならず、同じ歯医者で作ったのですが。

日本の保険適用(4,000~5,000円)でつくってもらえるソフトタイプとは異なり、とんでもなく硬質素材のナイトガードができあがりました。歯にはめ込むときにカチッと音がする&かなり圧迫感があるので、まだ装着した時の違和感ひどいのですが、たしかに歯ぎしりや食いしばりはできません。

ちなみにこのナイトガードは・・・2,400シェケルでした!11万4,500円…日本で作れるナイトガードの価格+11万円ですよ~!!!

ほかにも、初診料+レントゲンで570シェケル(27,000円)かかったので総額17,650シェケル、日本円にして、およそ86万円。歯科治療で100万円コースは、現実です。

さらに、あまりにも食いしばりが強くて顎が痛い、口が開けづらいことを相談したら、インビザラインという透明のマウスピース(日中装着)による歯列矯正もオススメされました。ちなみにそれは20,000シェケル、約95万円です…、、、、無理ーーーー!!!!

医療先進国と言われるイスラエル。歯科医師の技量のほどは??

さて、これだけの大金を払った結果、虫歯はしっかり治療できたのか?!そこが一番の懸念事項ですよね。結果から述べると、「思っていたよりはしっかりしているけれど、プロセスはやっぱり外国だなぁ」という感じです。

治療の流れは日本と一緒で、「虫歯箇所の削り取り、治療、型取り(カメラスキャン)」で1回、その翌週に「セラミックインレー・アンレーの填め込み」で1回。よって、一つの歯につき、二回の通院が必要です(2週間)。私は4本、うち2本は隣り合う歯だったので、合計6回の通院が必要でした。

と言いたいところですが、実は7回行きました。その理由が、「技工所から届いたアンレーがぴったりハマらなかったから」なのです…。「ちょっと待って、今からラボに電話する!」と治療が中断されて、え、、、、そんなことある??とめちゃくちゃ不安になりました。

さらにさかのぼると、その歯の治療&型取りをしたのがロシュ・ハシャナ(9月末のホリデー)直前で、治療&仮の詰め物を入れた後になって、「あ!!祝日挟むからラボやってないわ!!ごめん!!」と言い出し…。連休挟んだら1週間じゃできないから、10月のホリデー(ヨム・キプールなど)終わったらね~!と言われて、仮の詰め物のまま3週間近く過ごす羽目に。

確かに虫歯の進行具合も心配だったけど、だったら10月から治療すればよかった?と思ったのも時すでに遅し。

そして、このときに作った詰め物=ぴったりハマらない。「え~、連休挟んだあとでデータちゃんと見てなかったのな~!はは!でも次は大丈夫、いま細かく指示出したから!」とあっけらかんしていたので、そういうものだと思うしかありませんでした。(笑)

すなわち、麻酔を打って仮の詰め物をはがすためにほじくり返された歯に、もう一回仮詰めするというただのpainfulな時間を過ごしたわけです。

「また翌週やってみようよ~、今度こそちゃんとハマるといいね!でもやってみないとわからんけどなww」という軽~いノリで私を励ましてくれました(たぶん違います)。

ここでイスラエル人だったら、「おい!これは一体どういうことだ!!」と切れ散らかすところかもしれませんが、私はもう色々と面倒になって(そして文句を言っても仕方ないので)おとなしく翌週もう一回行きました。(もちろん追加料金なし)

※1本の歯の治療でいくら、という明瞭会計なので、治療にかかった時間や日数は関係ないところはメリットです。

さらに、私のクレジットカード限度額の上限などもあって毎回きっちり払えなかったのですが、「月をまたげばまた使えるようになるんでしょ?じゃあ来月でいいよ!」と支払い時期を延ばしてくれたり、ヘブライ語しかない領収書に英語で説明書きを付け足してくれたり、私が保険請求に必要な書類には追加料なしでサインしてくれたり。その辺はとても融通が利きました!

そして新しく埋め込んだアンレーですが、セラミック100%の硬さや嚙み合わせに若干の違和感はあれども、時間の経過とともに落ち着いていく範疇かな、という気がしています。

何より、プライベートの歯医者は予約が取りやすい。これに尽きます。健康組合の歯科医にかかるという条件がある場合は、次の予約が数週間~数か月後になってしまう恐れもあるからです。歯科治療で数週間待ちって有り得ないです…。

治療中も、spotifyで好きな音楽かけて鼻歌歌ってたり、歯科助手さんとヘブライ語で女子トークしてたり、なんとも自由な雰囲気で…まさに「自由診療」でした!(意味が違う)

海外在住者の命題:歯科治療は、極力日本国内で行いましょう!

さて、今回は「イスラエルでの歯科治療体験談」をお送りしました。私の英語スピーキング能力でも、歯科治療はどうにか乗り越えらえたことにホッとしています。

治療費用の驚異的な高さもそうですが、医療用語や嚙み合わせ、痛みなどのちょっとしたニュアンスを母国語以外で伝えるってとても難しくて(オノマトペってすごい!)、ここをこうしてほしい、というのを上手く伝えられないこともありました。

全体的な丁寧さや計画性のある治療をお望みの場合は(日本のスタンダードが高すぎるのかも?)、やはりかかりつけの歯医者で治療するに限ります。

しかし、虫歯治療は短期滞在や一時帰国でぱぱっと終わるものではないので、日頃の健康管理やチェックアップも含めて、歯や体のメンテナンスに気を配っていくことが一番大事ですね。

今回払った86万円、私が加入している赴任者保険では全額カバーにはならないので(そもそもセラミックは日本国内でも自費診療)、かなり痛い出費ではありますが…また一つサバイバル能力が高まる経験となりました。

この経験をポジティブに総括するとするならば、「イスラエルの歯科治療は高額だけど、お金さえ払えばちゃんとやってもらえるし英語も通じるので安心感が違う」と言えるでしょう!

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